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用賀アーバンクリニック通信

用賀アーバンクリニック通信2010年8月号

 2010/8/30

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┃■┃■┃  月刊  用賀アーバンクリニック通信 2010年 8月号    ┃■┃■┃
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 ━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━
 
  先日、クリニックの夏季休暇中に私もお休みを頂いて、毎年恒例のキャンプに行って参りました。今年は、標高1,300メートルと比較的高地でありました。日差しのある時には暑かったのですが、陽が落ちてからは非常に涼しく、快適な野営生活を送ることが出来ました。
 貸切バスで往復しましたので、帰路の休憩を高速のSA(関越道三芳:埼玉県)で取りました。バスを降りた瞬間、熱波に襲われ、やはり標高が高いところとの暑さの感じかたが違うことを実感しました。

 8月も終わりというのに、今年は、今までになく暑い夏である気がします。
 自宅でも冷房がフル稼働。寝るときはさすがにタイマーとして、つけたまま寝ないようにしていますが、何回か暑くて起きてしまいます。キャンプでの快適な睡眠が同じ日本にいたとは思えません、、、

 今月のメルマガでは、インフルエンザのお話を HOT! Topics で、コモンな病気ファイルは「かぜ」の治療についてを、お薬の面から書いて下さっております。栄養コラムでは、この時期のお楽しみであります「ビール」についてです。

 まだまだ暑い日が続くようです。体調管理には十分お気をつけ下さい。 
 それでは、今月のメルマガです! 
 
                                                                            (患者様サービス担当  正者忠範)

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 ┃▼┃INDEX
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  ─ HOT! Topics    ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況
 
  ─ 栄養コラム     ─> 「ビールと健康」

  ─ 医療コラム     ─> コモンな病気ファイル その3:「かぜ」の治療

  ─ クリニック情報 ─> 休診、お知らせ等

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 ┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2010年8月
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 毎日、暑い日が続きます。熱中症で救急搬送されたかたが4万人を突破したそうです。
 そのうち65歳以上のかたが46.3%と、やはりお年寄りに多いようです。この暑さは9月に入っても続くと予想されています。こまめな水分補給と十分な睡眠時間の確保。エアコンも上手に利用しながら、この暑さをしのいでいきましょう。

 さて、ここ近辺の流行状況ですが、夏風邪症状で受診されるかたがおられますが、大流行している感染症はありません。
 患者さんの周りでインフルエンザのかたがおられるという話もちらほら聞きますが、当院では7月、8月にインフルエンザと診断された患者さんはおられません。
 この暑さで、冷たいものの食べ過ぎやビールの飲み過ぎでお腹の調子を崩されているかたが多いようです。

 この暑い時期に気が早い話ですが、今年(2010/2011年)のインフルエンザワクチンの株が決まりました。2010/2011シーズンのインフルエンザワクチンには次の3種類の抗原が含まれます。

 (1)新型ブタインフル A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm株
 (2)季節性A香港型 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株
 (3)季節性B型 B/ブリスベン/60/2008株

 昨シーズンに「新型ワクチン」と呼ばれたブタインフルエンザ(H1N1)が組み込まれ、昨年の季節性ワクチンに含まれていたAソ連型が省かれました。

 今シーズンは、1種類のワクチン接種で済むということです。

 昨シーズンのように国が定めた優先順位はなく、どなたからでも接種することが可能です。

 当院での接種開始は例年どおり10月頃からを予定していますが、詳細が決まっていません。順次このメールマガジンでもご案内させていただきます。


                                                                                                (医師 田中 勝巳)
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 ┃▼┃栄養コラム:「ビールと健康」
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 暑い日のよく冷えたビールは美味しいですよね!
 ビールは渇いた喉を潤すだけでなく、夏ばてをも吹き飛ばす素敵な飲み物ですが、ついついカロリーオーバーになってしまうことも。

 ビールはジョッキ1杯で約210キロカロリー。女性なら3杯で1食分以上のカロリーを摂取していることになります。

 では、どうすれば健康に気をつけながらビールを楽しむことができるでしょうか?
 今回はビールを飲む時の「話のおつまみ」として、ビールの選び方とおつまみの選び方についてのお話を書かせていただきます。

 現在市販のビールは、
 ①ビール ②発泡酒 ③新ジャンル(第3のビール)の3種類に分かれており、その違いは「値段」だけではなく、麦芽の量が違います。また発泡酒や新ジャンルのビールには、プリン体が少ないものや糖質の少ないものなど様々な種類がでています。

 ちなみに、麦芽の量多い程値段が高くなるのは、税金が違うからです(酒税法)。
 これらのビールは最近ではなく、太平洋戦争中の食料難の時代に開発されました。その後飽食の時代とともに発泡酒、新ジャンルは一時衰退してきます。しかし1989年酒類販売免許が緩和され大型ディスカウントストアでも販売されるようになると各店値下げ合戦が激化する中、ビールの小売価格の約半分が税金で占められていて値下げの限界にきたことと技術の進歩から、発泡酒、新ジャンルへの要求が高まってきたのです。

 従来、発泡酒や新ジャンルは「旨味」の違いから、「ビール風味のアルコール」と言われてきましたが、技術の進歩からビールと発泡酒、新ジャンルのうまさの差が縮まって、発泡酒、新ジャンルの売り上げが伸びています。

 またビールのつまみの選び方はどう気をつければいいでしょうか? 
 ビールだけの食事はビタミン、ミネラルが不足してしまうので、カロリーも低くビタミン、ミネラルが豊富な野菜や海藻類を一緒に食べるとヘルシーな上に、栄養素の補給も行えます。

 低カロリーで美味しいビールに合うつまみの代表例は枝豆(36kcal)です。
 他にも、もずく酢(30kcal)、冷やっこ(80kcal)はいかがでしょう?
 サラダ(50kcal)は、マヨネーズやドレッシングを掛けた場合は100~200kcal高くなるので、ノンオイルドレッシングやポン酢などで食べることがお勧めです。
 
 一方、高カロリーのつまみもよくビールに合います。フライドチキン(170kcal/本)、ポテトフライ(400kcal/袋)、ポテトサラダ(220kcal/皿)や餃子(300kcal/皿)が代表例です。
 
 どうしてもこれらを食べたい場合は、分量を控えるか、「〆のラーメン」を控えてみることをお勧めします。つまみに加え「〆のラーメン」(500~800kcal/杯)を食べると1食で1日分のカロリーを摂取してしまうこともあります。
 
 お茶漬け(鮭)(280kcal/杯)、おにぎり(170kcal/個)もそこそこカロリーがあるので、要注意です。

 せっかくの夏、せっかくのビールの季節ですので、是非楽しんで健康的にビールを飲んでください。いわずもがなですが、飲みすぎには気をつけましょう、肝臓に負担を掛けるので週1~2回の休肝日を設けて肝臓を休ませることが大事です。


                                                                                       (管理栄養士 平尾 博美)
      
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 ┃▼┃医療コラム:コモンな病気ファイル その2:「かぜ」の治療
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 今月は、「かぜ(感冒、急性上気道炎)」の治療について少しご紹介します。

「かぜ」はほとんどの場合、ウイルスが原因であり、細菌感染症に対する抗生剤や、インフルエンザに対する抗ウイルス薬(タミフル®やリレンザ®など)のような特効薬的な抗菌薬はありません。医療者としては、症状を緩和するための治療(「対症療法」といいます)を行いながら、患者さんの体力や免疫力による自然治癒をサポートすることが主な役割となります。

 この点に関して問題なのは、現在日本では「かぜ」に対して本来必要のない抗菌薬が処方されることが多く、副作用や耐性菌の増加、医療費増加の大きな要因となっていることです。当院を受診される患者さんのなかにも、抗菌薬の処方を強く希望される方がおられるのが現実ですが、多くの方には原則的に不要なお薬であることを理解して頂けている、と思っています。
 
「かぜ」の症状緩和目的の対症療法としては、発熱や頭痛などに対する解熱鎮痛薬、のどの痛みや違和感に対する抗炎症薬、鼻みずやくしゃみなどに対する抗ヒスタミン薬、せきやたんに対する咳止め薬、去痰薬などをそれぞれ症状に応じて処方しますが、いくつか皆様にお知りおきいただきたい点を挙げておきたいと思います。

 第一に、「かぜ」の際の解熱薬、いわゆる「熱冷まし」は積極的にはお勧めしないようにしています。
 と申しますのは、発熱は本来体温を上昇させることによりウイルスを熱でやっつけようとする体の正常な防御反応であり、解熱薬をむやみに使用して体温を下げてしまうと、むしろ治癒が遅れてしまう可能性があるからです。

 解熱鎮痛薬の使用は、患者さんの熱や頭痛による苦痛が強く、お薬を使うメリットがデメリットを上回ると考えられる場合に頓服(とんぷく)で用いるのがベターです。

 第二に、「かぜ」による鼻症状に使用する抗ヒスタミン薬は眠気や口渇感などの副作用が比較的多いので要注意です。特に高齢のかたにはできるだけ避けたいお薬です。
 花粉症などのアレルギー性鼻炎の際に使用する抗ヒスタミン薬は、第2世代といわれ、眠気など鎮静作用は弱くなっていますが、「かぜ」の対症療法では、鎮静作用のある第1世代でなければ効果は乏しいとされており、そのため「かぜ薬は眠くなる」といわれるわけです。

 第三には、「かぜ」の際ののどの症状に対して当院でもよく処方しているトランサミン®という抗炎症作用を有するお薬ですが、実は「かぜ」に対する使用に関しては科学的根拠がほとんどなく、海外の診療ガイドラインには全く出てきません。
 しかし、このお薬の添付文書にはのどの痛み、腫れ・発赤に対する有効率は70%と記載されており、実際多くの患者さんが有効であったとおっしゃるのも多くの医師が経験していることです。この経験に基づいて広く行われている処方の代表例といえるでしょう。

 一方、「かぜ」の治療に際しては、漢方薬の出番も多く、使用される漢方薬の種類もけっこう多いのですが、ここでは当院でも処方頻度の多い「葛根湯(かっこんとう)」と「桔梗湯(ききょうとう)」をご紹介します。

 「かぜの治療には葛根湯」とよく言われますし、実際葛根湯は「かぜ」の治療に有効なのですが、「かぜ」の治療に葛根湯が効果を発揮するのは、実は発症初期の短期間のみです。ですから、少し様子をみてから医療機関を受診された場合、そのときにはすでに葛根湯が有効な時期を過ぎてしまっていることが多いわけです。

 葛根湯は、寒気や頭痛があって、後頸部から背中にかけて凝った感じがして自然発汗がまだみられていない「かぜ」のひきはじめのうちに服用するのがベストです。葛根湯は体温を早く上げることによって、ウイルスをやっつけようとする体の防御反応を促進するお薬なので、飲み方はお湯に溶かして服用した方が効果的です。そして少し厚着をしたり、温かい食事をしたりして、発汗して楽になるのを目指すのです。

 次に桔梗湯ですが、これはのどの痛みやいがらっぽい違和感を緩和する作用のある比較的飲みやすい漢方薬です。この薬もお湯に溶かし、少し冷ましてから少量ずつうがいしながら服用することがおすすめです。

 以上、主にお薬について述べてきましたが、「かぜ」の治療ではお薬のみでなく、非薬物的な補助療法も重要です。特にうがい薬や塩水などを用いてまめにうがいをすること、部屋の加湿にも気をつけ、水分補給を十分に行うこと、トローチやのどあめなどを用いてのどを潤った状態に維持すること、残業や夜更かしなど体力的に無理をせず、十分な休養や栄養を摂ることなどは自然治癒を促進するために役立つでしょう。

 
                                                                                                    (医師 増田 浩三)


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