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用賀アーバンクリニック通信

用賀アーバンクリニック通信2011年4月号

2011/4/25
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┃■┃■┃  月刊  用賀アーバンクリニック通信 2011年 4月号    ┃■┃■┃
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 ━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━

 未曾有の大震災から1ヶ月が経ちました。新幹線も今月中に全線で運転を再開す
 る等、着実に復興に向けて進んでいます。原発の問題による夏の電力不足等、
 気になるところはありますが、当院は通常通り診療をしております。ただ、節電
 をしているため、多少暗くお感じになるかもしれませんが、ご理解頂ければと思
 います。

 今月のメルマガは、通常のコラムに加え、理事長・院長からの挨拶を掲載して
 おります。当院の目指しているところ、を改めてご説明させて頂いております。
 
 また、4月から診療科目を見直し、新しく「リウマチ科」を標榜(設置)致しま
 した。詳細は、副院長のコラムをご覧頂ければと思います。


 メルマガ、診療等へのご意見、ご感想等は随時お受けしておりますが、メールに
 よる医療相談にはお答えできませんので、ご了承下さい。
 
 
                                                                            (患者様サービス担当  正者 忠範)

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 ┃▼┃INDEX
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  ─ 院長交代のお知らせ(理事長 野間口 聡)

  ─ 院長就任のご挨拶(院長 田中 勝巳)
 
  ─ HOT! Topics    ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2011年4月
 
  ─ クリニック情報  ─> 「リウマチ科のご紹介」
  
  ─ 栄養コラム     ─> 「缶詰・乾物のおいしい活用法」

  ─ 医療コラム     ─> コモンな病気ファイル  その9:「急性副鼻腔炎」

  ─ クリニック情報 ─>  ・休診、クリニックからのお知らせ等

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 ┃▼┃クリニック情報:院長交代のお知らせ(理事長 野間口 聡)
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 医療法人社団プラタナス理事長・野間口聡です。

 先月のメルマガでもお知らせ致しましたが、今月から用賀アーバンクリニックの
 院長を、田中勝巳先生に引き継いでもらうことになりました。

 この度お陰様で開院から10年を迎えることができたことを期に、これまで苦楽を共にしてきた田中勝巳先生に、これまで以上に存分に腕をふるって貰おうと考えております次第です。

 よくお尋ね頂くのですが、実はクリニックを平成16年に法人化して以来、私は理事長と院長を兼ねておりましたので、用賀アーバンクリニックでの診療そのものについては、当面これまでと変わるところはございません。
 一兵卒として(笑)これまで同様、自分に出来ることを自分の立ち位置でやってい
 こうと思っております。

 また、法人内の他施設(在宅を中心として今後これまで以上に用賀との連携を深
 めていく予定の桜新町アーバンクリニック、入院施設を持つ松原アーバンクリニ
 ック、小児科診療を中心とした鎌倉アーバンクリニック、女性向けの充実した健
 診が中心のイーク丸の内、有料老人ホーム向けの施設在宅医療部)との、これま
 で以上に有機的な繋がりを求めて行きたいとも思っております。

 今後ともご指導ご鞭撻方宜しくお願い申し上げます。

                            (理事長 野間口 聡)

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 ┃▼┃クリニック情報:院長就任のご挨拶
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 この4月に野間口先生から院長職を引き継ぐことになりました田中勝巳です。

 私は8年前に、当時の野間口院長や遠矢副院長が掲げられていた「患者さん視点
 の医療をグループで実践したい」という理念に賛同し、このクリニックの一員に
 加えていただきました。それは同じ志をもつ医師達のもとで働きたいという思い
 と、個人だけの力では得られないグループの力としての総合的な医療の提供がこ
 のクリニックであれば可能であると考えたからにほかなりません。
 そして患者さんに恵まれ、まわりの先生方やスタッフに恵まれ、気持ちよく8年
 間診療を続けることができました。

 今後は責任のある院長という立場で、皆様にこれまで以上の充実した医療を提供
 していけるように、またそれを継続していけるように院内の体制を整備していき
 たいと考えています。

 用賀アーバンクリニックは昨年の12月で開院10周年の節目を迎えました。
 おかげさまで多くの患者様に来ていただけるクリニックに成長し、用賀界隈の地
 域医療をになう医療機関の一つとして、責任をもって診療を継続していく必要が
 あると感じています。

 用賀アーバンクリニックには以下の3つのコンセプトがあります。
 今後、もう一度10年前の原点に立ち返り、この3つのコンセプトをもとに、今
 の時代のニーズにあった取り組みを検討し、より洗練された医療を提供できるよ
 う努力していきたいと考えています。

1)ファミリードクター(家庭医)でありたい

 日常の健康問題の大半に対応できる幅の広い診療を心がけ、疾病だけをみるので
 はなくその背景にある問題を重視しながら、家族や地域をも視野にいれた包括的
 な医療を提供していきたいと考えています。

2)サービス業としての医療の実践

 パターナリズムの医療から脱却した、患者さんにとってより便利で快適なクリニ
 ックを目指したいと考えています。木曜日以外は昼休みなしの診療や、院内薬局
 の開設、メールマガジンの発行、ご希望者には、インターネットでご自身のカル
 テを閲覧できるサービスなどを実践しております。

3)患者様参加型医療の実践

 全ての患者さんにカルテを全開示し、患者さん自身がご自分の疾病につきより能
 動的に考えていただき、治療に積極的に参加していただけるような医療の実践を
 目指しています。


 手前みそながら、当院におられる先生方は非常勤の先生方も含めて、自分や自分
 の家族が病気になった時に第一にお勧めできるような先生ばかりです。
 各医師の個性や専門分野を踏まえて上手にご利用いただけると、当院で提供して
 いるグループ診療のよさをわかっていただけるのではないでしょうか。

 今後は、同じ法人であり同じ世田谷区内にある桜新町アーバンクリニックや松原
 アーバンクリニックとも連携してより幅の広い医療を提供できるように努力して
 いきたいと考えています。

 そのひとつとして、桜新町アーバンクリニック在宅医療部との連携が本格的に始
 まりました。今後は外来の連携も進めていきたいと考えています。

 また、有床診療所である松原アーバンクリニックとも連携ができるような体制を
 検討中です。

 今後とも用賀アーバンクリニック及び医療法人社団プラタナスをどうかよろしく
 お願い申し上げます。
                                                                                              (院長 田中 勝巳)

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 ┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2011年4月
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 この4月から当院の診療標榜科目を一部変更とさせていただきました。
 これまでの「内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、血液内科、外科、脳
 神経外科、小児科、皮膚科」から「呼吸器内科、皮膚科」を削除し「リウマチ科
 」を新たに標榜いたします。

 各医師の専門領域に、より特化した標榜科目とするため、呼吸器内科、皮膚科は
 標榜科目からはずすこととしましたが、総合診療を心がけることには変わりはあ
 りません。今まで通り皮膚科領域や呼吸器内科領域の疾病の診療は続けていきま
 すので、何かあればご遠慮なくご相談ください。

「リウマチ科」については、この後の増田先生(副院長)からのご案内をご参照ください。

 さて、ここ近辺の用賀・世田谷地区の流行状況です。
 
 スギ花粉症の時期は、終盤にさしかかり症状が軽減されている患者さんが多いよ
 うです。
 すでにスギ花粉の飛散はピークをすぎていますが、ヒノキ花粉の飛散が多いよう
 です。スギに反応する人の多くはヒノキにも反応するため、もうしばらくは注意
 が必要です。

 この時期、まだB型インフルエンザの患者さんが散見されます。小学生、中学生ではクラスで流行しているところもあるようです。

 当院での診断例はまだありませんが、都内で「はしか(麻疹)」が流行しだして
 いるようです。はしかは特効薬がなく、あらかじめ定められた期間に予防接種を
 受けることが大切です。予防接種を受けていない場合は、ご相談ください。

                                                                                             (院長 田中 勝巳)

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 ┃▼┃クリニック情報:リウマチ科のご案内
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 用賀アーバンクリニックでは、家庭医として、病診連携における診療所の役割を
 しっかり担っていくという観点から、様々な領域の疾患の初期診療や安定期の継
 続診療をできるだけ行っていきたいと考えております。

 当院医師の専門領域等を考慮し標榜科を選定してまいりましたが、今年度より新
 たに 「リウマチ科」 を標榜することにいたしました。

「リウマチ科」で扱う疾患は「関節リウマチ」のみではなく、「リウマチ性疾患」「膠原病(こうげんびょう)」「結合組織(けつごうそしき)病」などといわれる疾患群であり、そのなかには多くの疾患が含まれます。

 これらの疾患群は、関節や皮膚などをはじめ全身の臓器や器官に症状を呈する疾
 患が多く、全身を総合的に診る必要があります。
 また、いわゆる「難病」とされているものも多く含まれ、早期に正しい診断をし
 て、適切な治療が行えるよう、専門医への橋渡しも含めて筋道をたてていかなけ
 ればなりません。
 
 代表的な疾患はやはり「関節リウマチ」ですが、血液検査や画像検査、治療薬の
 進歩などにより、早期の段階で診断して、早期に適切な初期治療を開始できれば、将来の関節機能の低下を予防できるようになってきました。

 当院では診察と血液検査でまず診断し、さらに必要があれば近医の「メディカル
 スキャニング用賀」と提携して関節のMRI検査を行うことによってX線で検出
 できない初期の関節・骨変化の有無を検索し、治療方針を検討することが可能で
 す。しかし当院のレントゲン撮影機器の限界から詳細な関節のX線撮影はできま
 せんので、すでに関節リウマチ罹患歴が長く、関節の変形などがあって、整形外
 科的な診療や関節注射が必要であったりするような場合には、患者様のニーズに
 お応えできない可能性もありますので、受診をご検討の際にはご考慮下さい。

 さらに、関節リウマチをはじめとするいくつかの膠原病は動脈硬化の促進因子と
 なることも分かってきており、この点からも全身的な視点での継続診療が重要と
 思われ、我々はこの点も考慮に入れて診ていきたいと考えております。

 当院で診断がはっきりしない場合や、さらなる精密検査や治療が必要な場合、あ
 るいは患者様のご希望があった場合には、連携医療機関やご希望の施設へご紹介
 いたします。

 当院では今回の新たな標榜科追加を含め、今後も患者様のニーズにできるだけお
 応えできるように努力していく所存です。

                         (副院長 増田 浩三)
 
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 ┃▼┃栄養コラム:「缶詰・乾物のおいしい活用法」
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 3月に起きた「東日本大震災」では、停電や食料不足などで苦労をされた方もい
 らっしゃるのではないでしょうか。
 電気やガスが止まってしまっても、手軽に使える食材の一つが「缶詰・乾物」で
 す。どちらも常温で長期保存できることが特徴です。
 
 今回は、普段から家にあると安心できる缶詰や乾物の活用法を、簡単にできるレ
 シピと一緒にご紹介します。

 まず、缶詰ですが、魚や肉や豆の缶詰は、生の魚や肉や卵が手に入らなかった時
 にもたんぱく源として代用することができます。
 
 缶詰の魚や肉や豆は、やわらかく煮ているものが多いので、幼児や高齢者の方で
 も食べられます。特に魚は骨までまるごと食べることができ、カルシウムを手軽
 にとることができます。

 すぐに食べられておかずになるものとしては、魚のかば焼きや焼き鳥など、味が
 ついているものがあります。
 ただ、かば焼きやみそ煮などに使われているタレには、塩分が1缶に1.5~2
 gと、梅干し1つ分と同じくらい入っているので、とり過ぎには注意したいとこ
 ろです。もともと味がついているため、塩やしょうゆなどの塩分を加えなくても
 おいしく食べられます。特に血圧の高い方は、タレを残したり、野菜を多めにし
 て食べることをおすすめします。

 また、マグロ・サバ・サケ・アサリ・うずらの卵は、水煮として、素材を生かし
 ているものもあります。
 
 豆の缶詰は大豆以外に、赤いんげん豆やひよこ豆など数種類の豆が入ったミック
 スビーンズとして売られているものもあります。
 どれもそのままでも食べられますが、ひと手間加えると、よりおいしく、栄養の
 バランスもよくなります。ミックスビーンズを野菜スープに加えると色どりも良
 くなりますし、魚の水煮にすりおろした大根をのせれば、おつまみの一品にもな
 ります。

「缶詰は缶のにおいが気になる…」という場合は、コショウやバジルなど香りのある香辛料を料理に加えてみてはいかがでしょうか。
 
 例えば、サバなど魚の水煮の缶詰とトマト缶を一緒に煮込み、最後にパセリやバ
 ジルを加えると香りよく仕上がりますので、お試しください。

 次に、乾物ですが、水につけてもどせばすぐ調理できるため、様々な料理に使え
 ます。

 和食に使う、というイメージがあるかもしれませんが、味付けによっては、和風
 だけでなく洋風にもアレンジすることができます。
 例えば、煮ものによく使われる切干大根や乾燥ひじきは、水でもどすだけで食べ
 られます。玉ねぎやキュウリをうすく切ったものと一緒に、酢やお好みのドレッ
 シングで合えると、煮ものと違った味わいで、さっぱりと食べることができます。

 また、乾物は、保存が便利なだけではなく栄養も豊富です。

 先ほどご紹介した切干大根は、1袋(40g)で大根中1本と同じくらいの食物
 繊維が含まれています。凍りどうふ1つ(20g)は、木綿とうふ1/3丁(100g)
 と同じ量のたんぱく質やカルシウムをとることができます。凍りどうふは、余っ
 ている野菜と一緒に炒めたり、スープやみそ汁に加えたりと、とうふと同じよう
 に料理に使えます。干ししいたけ1つ(4g)は、生のしいたけ1つ(15g)
 に比べて、食物繊維は3倍、きのこに多いビタミンDも2倍含まれています。
 干ししいたけを戻し汁にめんつゆを加えたもので煮れば、おかずにもなりますし、刻んでご飯に混ぜれば、簡単にきのこご飯ができあがります。焼きのりを上にかければ、さらに風味がよくなります。

「備えあれば憂いなし。」日頃から日持ちの良いものを常備しておけば、いざという時もあわてず毎日を過ごすことができます。さらに、おいしく活用できれば一石二鳥ですね!

                                                                    (管理栄養士  伊藤 ちえ美)


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 ┃▼┃コモンな病気ファイル その8:急性副鼻腔炎
 ┃ ┃              (きゅうせいふくびくうえん)
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 今回は「急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)」の診断について取り上げ
 ます。
 
「副鼻腔炎」という疾患には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とがあり、症状の持続期間が1ヵ月以内のものを「急性副鼻腔炎」、3ヵ月以上のものを「慢性副鼻腔炎」と呼んでいます。

「慢性副鼻腔炎」は俗に「蓄膿症(ちくのうしょう)」とも呼ばれており、我々のようなプライマリ・ケア医よりも耳鼻咽喉科の役割の方が主体となりますので今回の話のなかに含めません。

 副鼻腔というのは1~3mmくらいの細い空洞を介して鼻腔とつながっていて、
 内面を粘膜で被われている4種類の空洞のことです。

 左右のほお骨の奥にあり目の下から上の歯(上顎歯)の上部までの比較的大きな
 副鼻腔を「上顎洞(じょうがくどう)」といい、4種類の副鼻腔のなかでは一番
 大きく、「副鼻腔炎」を起こす頻度も一番多いと思います。

 眉間から左右の眉毛部に向かって存在する副鼻腔を「前頭洞(ぜんとうどう)」、鼻腔の奥の上方で左右の眼球内側部に存在するのが「篩骨洞(しこつどう)」、鼻腔の後方の真ん中にあり、最も脳に近い副鼻腔が「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)」といいます。

 つまり、「副鼻腔炎」とは「上顎洞炎」「前頭洞炎」「篩骨洞炎」「蝶形骨洞炎」の総称ということになります。

 副鼻腔が何のためにあるのかということについてははっきりとは解明されていな
 いようですが、理論上は吸い込んだ空気を暖める、頭蓋内を明るくする、声の響
 きをよくする、頭蓋骨や顔面に衝撃が加わった際にそれを吸収する、粘液を分泌
 することなどにより吸い込んだ空気を清浄化するなどのはたらきがあるとされて
 います。

 さて、「急性副鼻腔炎」ですが、そのほとんどはふつうの「かぜ」、つまり「急
 性上気道炎」に引き続いて発症してきます。「かぜ」のときには通常鼻炎が起こ
 っており、鼻腔の粘膜も炎症で腫れてしまいますので、1~3mmしかない副鼻
 腔の出入り口は容易に閉塞してしまいます。
 
 鼻腔や副鼻腔を覆っている粘膜は炎症時には粘液をたくさん分泌する(これが鼻
 みずとして出てくる)ので、副鼻腔内に分泌された粘液は出口が詰まると副鼻腔
 内に溜まってしまいます。この副鼻腔内に溜まった粘液は細菌の増殖に最適の培
 地になってしまい、ここに細菌性の「副鼻腔炎」が起こってしまうのです。
 ですから「副鼻腔炎」が起こってくる場合には、すでに鼻炎が前提として存在し
 ていることが多く、むしろ「急性鼻副鼻腔炎」と表現した方が正確です。

 花粉症などのようなアレルギー性鼻炎を持っている場合や、鼻中隔彎曲症などに
 よって副鼻腔の出入り口が影響を受けているような場合には「副鼻腔炎」なりや
 すいといえます。

 「急性副鼻腔炎」の症状としては、膿性鼻汁(俗にいう“あおっぱな”、“みど
 りっぱな”)や鼻閉(はなづまり)が代表的です。
 
 その他には頬部の痛みや前頭部の頭痛、嗅覚(におい感覚)の低下、耳の閉塞感、せきなどもみられることがあります。
 
 診断の決め手となる症状というのは特になく、「急性副鼻腔炎」と診断するのは
 けっして容易ではないのですが、下記のいくつかの項目は非常に参考になる症状
 として重要視されます。

 1)「かぜ」が一度改善傾向となっていたのに、鼻症状を主体として再燃してきた。

 2)頬部や目の上などが左右のどちらか片方だけ痛む。

 3)むし歯でもないのに上顎歯(上の歯)に痛みがある。

 4)前屈みになって頭部を下に下げると、頬部や目の上に痛みや違和感が出現する。

 身体診察では上顎洞の炎症を診るために頬部を、前頭洞の炎症を診るために目の
 上の部分を、それぞれ圧迫したり指で打診したりして痛みやその左右差の有無を
 チェックします。耳や鼻腔を診る時に使用する診察器具を用いて頬部から光を当
 てて、口のなかに光が透けて見えるかどうかをチェックすることもあります。

 また病院では副鼻腔のレントゲン撮影を行うこともあります。

 しかし、これらの身体診察や検査は参考程度にしかならないことが分かっており、前述の臨床症状を問診の段階でしっかりと確認した上で、総合的に判断して臨床診断を下します。

 なお、上顎歯(上の歯)のむし歯が原因となって、そのすぐ上にある上顎洞に直
 接炎症が波及して副鼻腔炎(上顎洞炎)を起こすことがあり、これを「歯性上顎
 洞炎」といいますが、これは「かぜ」に続発するものではなく今回の内容に含め
 ませんでした。

 次回は「急性副鼻腔炎」の治療を中心にご紹介する予定です。


                                                                                          (副院長 増田 浩三)
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 ┃▼┃クリニック情報:休診、お知らせ等
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                                                                         (患者様サービス担当 正者 忠範)

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