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用賀アーバンクリニック通信

用賀アーバンクリニック通信2017年1月号

2016/12/27
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┃■┃■┃  月刊  用賀アーバンクリニック通信 2017年  1月号  ┃■┃■┃
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 ━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━

   
 それでは、今月の情報をどうぞ!


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┃▼┃INDEX
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  ─ HOT! Topics    ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2016年12月

  ─  医療コラム     ─> 「認知症の病型ごとの初期の症状の特徴」

  ─ 栄養コラム     ─> 「もしもの為の缶詰ストックで手軽に栄養プラス」

  ― クリニック情報 ―> 休診、クリニックからのお知らせ等

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┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2016年12月
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 ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行しています。
 また、インフルエンザも流行してきています。

 毎年この時期(寒い時期)には、これらの二つの感染症が流行するのですが、
 今年は共に流行が例年より早く、ノロウイルス性胃腸炎の流行規模が大きいのが
 特徴です。

 感染性胃腸炎の流行状況は、以下のページを参考にされて下さい。
 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/gastro/

 都内では、11月24日に感染性胃腸炎の流行警報が発令されています。
 グラフの流行状況をみると、右肩上がりに流行してきており、
 例年より多い状況です。
 検出されているウイルスの大半が「ノロウイルスGⅡ-2」という型で、
 従来型「GⅡ-4」や新型「GⅡ-17」の検出を上回っていると報告されています。
 ここ数年間、この「GⅡ-2」の流行がなかったため、
 免疫のない小児の流行が多いことが流行の拡大に影響しているようです。

 インフルエンザの流行状況は、以下のページを参考にされて下さい。
 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/assets/flu/2016/Vol19No8.pdf

 当院でも、インフルエンザの患者さんは多い状況ですが、
 このグラフをみるとまだまだ今後、流行の山がきそうな様相で、
 ますます感染が広まってくることが予想されます。

 年明けから、本格的な受験シーズンが始まることもあり、
 受験生はインフルエンザや胃腸炎に罹患する不安を抱かれている方も多い
 と思います。普段からの規則正しい生活と、体を冷やさない工夫、手洗い、
 うがいを継続していきましょう。

 手洗いは、時間をかけてよく洗うことが重要です。
 石けんを使用して、手の平や指の間、爪の中、手首をよく洗い十分に流水で
 流しましょう。
 手の平だけではなく、指の間、爪の中、手首まで洗うことがポイントです。
 しっかりと石けん液を泡立てることで、手全体や手のしわなどに石けん液が
 いきわたります。
 時間は30秒ほどを目安に、2回(30秒×2)手洗いをするとウイルス除去効果が
 さらに高いとういデータがあります。
 特にこの時期には、この2回の手洗いがお勧めです。
 時間にして1分です。長いと感じるかもしれませんが、
 この流行期、試してみる価値はあると思います。

 今年も残すところあとわずかとなりました。
 読者の皆様の健康をお祈りしています。
 よいお年をお迎えください。 
         
                                                                               (院長 田中 勝巳)

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┃▼┃医療コラム:「認知症の病型ごとの初期の症状の特徴」
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 認知症の原因となる病気には、おもに

  ・アルツハイマー型認知症(約60%)
  ・脳血管性認知症(約20%)
  ・レビー小体型認知症(約10%)
  ・前頭側頭型認知症(約5%)

 の4つの病型があります。
 その初期の症状には、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

 1)アルツハイマー型認知症

 アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞にβアミロイドとよばれる蛋白質が
 蓄積され、脳の機能が低下することによって起こります。

 初期の症状として、最近のできごとを思い起こすことができなくなるとともに、
 そのこと自体に気づくことが難しくなります(記憶障害、病識の低下)。
 約束してカレンダーに予定を書き込んでも、
 書き込んだこと自体の記憶がすっかりないことが特徴です。
 また、野菜を切ったり、炒めたりする動作はできるけれども、
 料理を完成させるために、これらのひとつひとつの動作を順序よく
 組み立てることが苦手になります(実行機能障害)。
 そのため、手の込んだ料理ができなくなったり、
 家電の使い方がわからなくなったりします。

 あるいは、配偶者との死別や引越しなどをきっかけに、抑うつ症状や
 物盗られ妄想(ものをしまい忘れて見つからない時に、身近な人が盗んだと確信する)などの心理症状があらわになることもあります。

 やがて、1日、1ヶ月、1年という時間の流れになかで、
 いまいつごろであるかの勘(時間の見当識)がはたらかなくなります。
 日付や曜日に無頓着となり、ごみの分別ができなくなり、
 夜中に玄関の掃き掃除をはじめたりするようなことがおこります。

 2)脳血管性認知症

 脳血管性認知症は、脳の血管の血流の障害により、
 脳の機能が低下することによって起こります。
 高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病や心房細動などの
 不整脈が危険因子となります。

 病状の経過は、脳卒中の突然の発症とともに、症状があらわれる場合と、
 脳血管の動脈硬化の進行とともに徐々にあらわれる場合とがあります。

 初期の症状としては、実行機能障害と呼ばれる、
 
 「ものごとを、計画を立て、順序よく、確認しながら実行することができなくなる」ことと、「意欲の低下・抑うつ・人格の尖鋭化」などが現れます。
 
 人格の尖鋭化とは、たとえば、
 ・慎重な人が頑固で疑い深い人柄へ
 ・上品さが人嫌いで自己中心的な人柄へ
 ・気がねなさが無遠慮であつかましい人柄へ
 と変化する、といったことをいいます。

 脳の血流によいときとわるいときの波があり、
 意識の覚醒レベルが日によって異なり、
 あるいは1日のなかでも時間帯によって変化するため、
 認知機能や感情、運動機能もいっしょに変動します。
 
脳の血流のよいときは、
 
  ・目つきもしっかりしていて、覚醒もよい
  ・記憶や段取りもしっかりしている
  ・感情もおだやかで寛容、からだの動きもよい

 のですが、
 反対に血流のわるいときには
 
  ・目がどんよりしていて、覚醒がわるい
  ・記憶や段取りがわるい
  ・不機嫌で頑固
  ・嚥下や歩行もわるい

 3)レビー小体型認知症

 レビー小体型認知症は、脳の神経細胞にαシヌクレインとよばれる蛋白質が
 蓄積され、徐々に脳の神経の数が減少していくために脳の機能が低下してくる
 病気です。

 初期には、レム睡眠行動障害という、夜寝ているときに、
 夢と現実がさだかでなくなってしまう特徴的な症状からはじまることがあります。
 こうした睡眠障害がはじまって2~3年してから、
 日中、ぼーっとしている時間がでてきて、この間に起きたことの記憶がなく、
 そのときの言動もいつもと様子がちがいます
 (注意力や意識の覚醒度の変動とともに認知機能が変動する)。
 はじめは30分~3時間ぐらいで改善するけれども、
 徐々にその時間がながくなっていきます。

 また、非常に鮮明で生々しい映像の小動物や人間の幻視が昼夜を問わず
 認められるようになります。
 はじめは「実際には、いるはずないのですが」という認識を伴うことがあります。
 
 こうした症状に前後して

  ・前傾姿勢で歩幅がちいさく、手の振りの少ない歩行
  ・手や足のふるえ
  ・表情がとぼしく声量がない
  ・飲み込みがわるい、
  ・流涎(よだれ)がでる

 などのパーキンソン症状が認められます。

 4)前頭側頭型認知症

 前頭側頭型認知症は、脳の神経細胞に3リピートタウとよばれる蛋白質が
 神経細胞に蓄積されるなどの様々な原因により、
 前頭側頭部の脳の神経が減少することによっておこります。

 初期には、人柄の変化が認められるようになり、物忘れ(記憶障害)は、
 ほとんど目立たないのが特徴です。
 自己の欲求の抑制的なコントロールが苦手になります(脱抑制)。
 不機嫌と上機嫌とが入れかわりやすくなり、
 他人への配慮や自分の整容への関心が乏しくなります。

 いつも同じ日課をくりかえす傾向が強くなります(常同行動、時刻表的生活形成)。
 たとえば、毎日同じ時刻に同じコースを歩き(周遊)、台風であっても、
 高熱を出しているときも、頑なにそれを行おうとします。

 以上のように、ひとくちに認知症と言っても、病型ごとに初期の症状には、
 それぞれ特徴があります。それぞれに治療・ケア・養生のコツが異なりますので、早期に医療機関につながることが大切です。



                                                            (神経内科専門医指導医 西村敏樹)

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┃▼┃栄養コラム:「もしもの為の缶詰ストックで手軽に栄養プラス」
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 2016年もあとわずかとなりました。
 今年の片づけは今年のうちに!ということで、
 大掃除を始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 台所の隅にストックしてある缶詰や、
 普段開けない災害用のリュックサックにしまってある食材を見てみると、
 保存がきくと思っていた食材の賞味期限が意外と迫っていた、
 ということも多いものです。

 もしもの時の保存食は、賞味期限が切れる前に使いきり、
 新しいものを補充する、というサイクルを定着させると、
 万が一の時に賞味期限が大幅に切れていた、ということもなくなりますし、
 普段食べ慣れているものですと、災害時も安心して食べることができます。

 開封後すぐに食べることができるものから、調理を加えて食べるものまで、
 水や熱源等のライフラインの復旧状態によって対応できる準備をしておくと
 安心です。
 
 ごはんやパンなどの主食や、魚や肉や野菜のおかずも、
 缶やレトルトで数日分確保しておきましょう。

 もしもの時に備えて缶詰を買いはじめた方も、
 ツナやコーンやトマト缶は使ったことがあっても、
 その他はあまり馴染みがなかったりすることもあります。
 においや味などに関して、
 ネガティブな先入観がある方もいらっしゃるようですが、
 実際に食べてみるとイメージが変わる方も多いので、
 是非この機会に、普段の食卓にのせてみてはいかがでしょうか。

 そのまま食べても、おつまみになったり、お弁当のおかずになったり、
 手軽で便利ですが、普段の料理も缶詰を使うと、
 時間短縮になったり、バリエーションが増えたりと、
 便利でかつ、栄養バランスアップにもつながります。

 特に、魚の缶詰はおすすめです。
 魚料理は下処理に手間がかかるものが多いので、料理好きな方でも、
 時間に余裕があるときにしか作らなかったりしますが、
 缶詰は開封後そのまま使えるので、
 ついつい肉料理に偏ってしまうとき等に重宝します。

 魚(特にイワシやサバ等の青魚)の脂(アブラ)は、
 コレステロールや血圧など、生活習慣病の予防や改善につながる
 といわれていますので、魚を食べる頻度が少ない方は、
 是非試してみてはいかがでしょうか。

 一般的なスーパーやコンビニに売っている魚の缶詰としては、
 蒲焼やみそ煮等の味付きの種類が多いのですが、鮭やサバ、
 さんま等には水煮もあります。
 素材の味でシンプルな為、他の材料とも合わせやすく、
 肉の代わりに使ったり、アレンジがしやすい食材です。

 また、骨まで食べることができるくらい軟らかく加工されているので、
 カルシウム補給にもなりますし、
 小さいお子様や高齢者でも安心して食べることができます。
 これらをトマトソースの具にしたり、
 ネギ等の野菜やきのこと一緒に炊き込みごはんにしたり、
 そのまま皿に盛り、スライスオニオンや小ネギ、
 大根おろし等をのせればすぐに出せる
 おつまみになります。

 そのままでも美味しい焼き鳥は、いつも冷蔵庫にある玉子と玉ねぎを使って、
 手軽に親子丼にアレンジもできます。

 ひじきの缶詰は、青菜などの野菜と一緒にごま油等で炒め、
 すりごま等と共に味を調えると、栄養たっぷりの副菜になります。

 ツナやスイートコーン缶でしたら、加熱したみじん切玉ねぎとブラックペッパー
 と共にホットケーキミックスを使って焼けば、
 お子様のおやつや朝食にぴったりのおかず系のホットケーキになります。

 缶詰を普段の食事にうまく取り入れ、使ったら、新しい缶詰めを買い足し、
 またストックにする、というサイクルを定着させることで、
 災害時に備えられるだけでなく、
 少ない手間で栄養バランスもアップすることができ、一石二鳥となります。

 いつ誰が巻き込まれてもおかしくない災害、備えあれば憂いなしです。
 缶詰ストックを買い足し使うサイクル、あなたも試してみませんか?


                                                                       (管理栄養士 力石 愛)

                                             
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┃▼┃クリニック情報:休診、お知らせ等
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 ☆年末年始休診

  ・平成28年12月29日(木)~平成29年1月3日(火)

    ※平成29年1月4日(水)より通常診療となります

   (休日診療案内)

    ・玉川地域内科、小児科医療案内 03-3704-2481(9:00~18:00)
        ・東京都保健医療情報センター(コンピュータ応答)03-5272-0303(24時間)
 
  ☆医師休診
 
  ・野間口医師 1月27日(金)休診 → 代診 未定
           28日(土)休診 → 代診 未定


  急な変更がある場合もございます。
  ホームページのニュース欄にも記載は致しますが、
  詳細は、お電話にて確認して頂くと確実です


                  (患者様サービス担当 越路 公雄)

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━━ この用賀アーバンクリニック通信について ━━━━━━━━━━━━
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〔バックナンバー〕     http://www.plata-net.com/blog/yoga/

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