2012/11/26
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┃■┃■┃ 月刊 用賀アーバンクリニック通信 2012年 11月号 ┃■┃■┃
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━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━
いつの間にかコートが必要な寒さとなっています。
街路樹も徐々に色づき始めましたね。砧公園や駒沢公園など、
今週末くらいが見頃かもしれません。ぜひ、暖かい格好でお出かけ下さい。
冬場は感染症の流行する時期です。
インフルエンザの流行はまだのようですが、予防接種がお済みでない方は、
早めの接種をお勧め致します。詳細はHot Topics!をご参照下さい。
来月、用賀アーバンクリニックは13年目を迎えます。
おかげさまでこのメルマガも登録者が2,500名を超えました。
多くの方にご満足いただけるよう、これからも継続して参ります。
引き続き、ご意見・ご感想などがございましたら、お寄せ下さい。
今月も医療コラムをお休みさせて頂きます。
また、次月にご期待下さい。
それでは、今月の情報をどうぞ!
(患者様サービス担当 正者 忠範)
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┃▼┃INDEX
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─ HOT! Topics ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2012年11月
─ 栄養コラム ─> 「いくつになっても美味しく食べるには」
─ 医療コラム ─> コモンな病気ファイル
その20:「過敏性腸症候群」(その4)
― クリニック情報 ―> 休診、クリニックからのお知らせ等
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┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2012年11月
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胃腸炎で受診される患者さんが増えてきました。
嘔吐、下痢がひどい患者さんよりも、体がだるくて悪寒がして気持ちが悪いと
受診される患者さんが多い印象です。
寒くなる冬場は、ノロウイルスなどの感染による感染性胃腸炎が流行する
時期です。
国立感染症研究所感染症情報センターによると、
患者報告数は10月29日−11月4日の週まで3週連続で増加しており、
この週の報告数は過去10年の同時期で2番目に多いということです。
感染性胃腸炎の患者発生は、例年、10月から11月にかけて流行曲線に
立ち上がりが見られ、その後、急速に増加し12月の中旬頃にピークとなる
傾向がありますが、本年は比較的早く増加傾向を認め、
本格的な流行時期が近いことが強く示唆されています。
手洗いの励行、糞便・吐物の適切な処理等、感染拡大の防止に注意しましょう。
以下の厚生労働省のノロウイルスに関するQ&Aをご参考にしてください。
<ノロウイルスに関するQ&A>
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
さて、今月もインフルエンザの患者さんはまだおられませんでした。
大規模な流行はまだみられていないようです。
(院長 田中 勝巳)
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┃▼┃栄養コラム:「いくつになっても美味しく食べるには」
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11月8日は「いい歯の日」でした。
これは、日本歯科医師会が「いつまでも美しく、そして楽しい食事をとるために、口の中の健康を保っていただきたい」という願いをこめて定められました。
いくつになっても美味しいものは、口から食べたいと思っている方は多い
と思います。
高齢になると歯が減って食べ物を噛みくだいたり、
唾液と混ぜ合わせる力が落ちたり、
味覚や消化などの機能が低下し、食事が思うようにとれなくなってきます。
そこで、今回は高齢者の食べ方についてのポイントをまとめました。
●噛むことの重要性
よく噛んで食事をすると、消化酵素のアミラーゼを含む唾液の分泌が促進され、
食べ物の消化吸収が良くなるので、胃腸にやさしく便秘の解消や免疫力アップ
にもつながります。
また、よく噛むことで、舌もよく動かすことになり、
結果として脳の血流を増やし脳の老化を遅らせ、舌の機能が向上することで、
食べ物が誤って気管に入ってしまうのを予防することにもなります。
●よく噛むための食事の工夫
高齢になると噛みにくいからといって、調理をする時に食べやすくするために
食材を細かく切ったり、すりつぶしたりしがちですが、
あまり早い段階からやってしまうと、
噛む機能や飲み込む機能の低下も早くなります。
まだまだ飲み込みにくさを感じていない方は、顔の筋肉を使ったり、
舌を動かすためにもあえて食材の形を残した調理をするのがポイントです。
合わせて、よく噛むために下記の3つの工夫もぜひ試していただきたい
と思います。
①煮てやわらかくなるもの(芋類・根菜類など)は、大きめに切る
芋類は、水分が少なく飲み込みにくい食べ物ですが、
すりつぶしたりせず、舌でつぶして食べられる硬さであれば、
形を残して小さめに切ったほうが噛む回数が増えます。
②野菜は繊維に対して直角に切る
基本的に、野菜の繊維は、根から茎、そして葉の方に向かって走っています。
繊維に対して直角に切ることで、繊維質が口の中に残りづらくなります。
③一回に口に入れる量を少なくして噛む回数を増やす
箸やスプーンにのせる一口を少なくすると気管に入れて、
むせてしまうことを防げます。
●食べやすいメニューの落とし穴
高齢者が食べやすい食事メニューの一つにめん類があります。
めん類は、のど越しがよく食べやすいのですが、単品だけではたんぱく質
を多く含む肉や魚、卵、大豆製品や食物繊維を多く含む野菜が少なくなり
がちです。たんぱく質は筋肉や血液など大切な体を作る材料です。
めん類を食べるときは、栄養のバランスが偏らないように、
野菜をたっぷり入れて卵やお肉などと一緒に煮込んで食べたり、
麺を少し減らして、もう一品おかずを追加するなど工夫をしましょう。
最後に。
私は、「幸福」という漢字を「口福」と書いて説明することがあります。
「口福」は、お口から運ばれてくるもので、「福」という漢字の書き方は、
「一口ずつ田べてネ」(ひとくちずつたべてね)と書いて「福」になります。
ゆっくり一口ずつ食べることは、安全な食べ方であるばかりでなく
脳に刺激を与え、健康保持につながり、それが生きがいにもつながる
大事なことです。
健康な生活を送るためにも噛むことを意識した食事をとってみては
いかがでしょうか。
(管理栄養士 川島 美由紀)
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┃▼┃医療コラム: コモンな病気ファイル その20:
「過敏性腸症候群」(その4)
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今回からは過敏性腸症候群の治療について数回に分けて取り上げていきます。
当初この1回でまとめて治療についてご紹介して、過敏性腸症候群のシリーズを
締めくくろうと考えていたのですが、いざ稿にとりかかると、とうてい1回では
扱いきれない内容になることがわかり、何回かに分けて扱うこととしました。
シリーズのこれまでの稿のなかで、過敏性腸症候群の主な症状は、
1,下痢、2,腹痛、3,便秘、4,腹部膨満の4つであり、優位な症状によって、
下痢型、腹痛型、便秘型、あるいは混合型(下痢と便秘が交代して繰り返す)
などのような病型分類をして考えることができることをお話しました。
一方で、臨床的によくみられるパターンとして、
1)緊張や不安などの精神的ストレス下において下痢や腹痛が出現してしまうタイプ
2)食後にきまって下痢をしてしまうタイプ、
さらに頻度は多くはないですが、
3) 急性胃腸炎にかかったあとに、
しばらくのあいだ食後の下痢や腹痛が出現してしまうタイプ
などがあることも言及してきました。
今回は過敏性腸症候群の薬物治療についてご紹介していきますが、
使用する薬剤は消化管に作用する薬剤のみではなく、
漢方薬もよく使いますし、背景にあるストレスや精神的要因の程度によっては
抗不安薬や抗うつ薬などの中枢神経系に作用する薬剤を併用する場合もあります。
患者さんの症状や状態に応じて、これらの薬剤のなかから選択したり、
組み合わせたりして処方することになりますが、薬物治療に加えて、
食事や生活についての指導なども重要で、これらの非薬物治療についても
次々回で取り上げる予定です。
(1) 下痢型・腹痛型・便秘型・混合型のいずれの病型にも使いやすい治療薬
つまり、過敏性腸症候群の薬物治療の第一選択薬として用いられる薬剤といえます。
1.中枢作用のない末梢オピオイド受容体作用薬 :トリメブチン
主な薬剤名は「セレキノン」というお薬で、いわゆる「消化管運動調節薬」
という位置づけになります。
消化管運動が過剰となっている場合(=下痢・腹痛)には、
それを抑制するように作用し、逆に消化管運動が鈍っている場合(=便秘・腹部膨満)には、それを促進するように作用してくれます。
また内臓知覚に関する自律神経系にも作用して腹痛を軽減する効果もある
といわれています。
副作用も少ないですから、第一選択薬として用いやすいお薬で、
実際私もよく処方しますし、有効率もかなり高いように感じています。
ただ、便秘がある病型の方には、時に便秘が増強されてしまうことがあり、
そのような方には注意して使う必要があります。
2.高分子重合体 :ポリカルボフィルカルシウム
主な薬剤名は「コロネル」や「ポリフル」で、
このお薬は非溶解性の親水性ポリアクリル樹脂製剤といわれていて、
食物繊維と同様に消化管内の水分をしっかり吸収してその状態を保持し、
ゲル状のまま大腸に達して、適度な硬さの便となって排泄されます。
消化管内の水分吸収性が高いため下痢症状が改善し、
便の硬さも適度となるので便秘症状も改善します。
また消化管でのみ作用し、腸粘膜から吸収されないため副作用の出現頻度も
少ないようです。
(2) 主に下痢型に用いられる治療薬
1.止痢薬 : ロペラミド
いわゆる下痢止めのお薬は「止痢薬(しりやく)」と呼ばれますが、
下痢型の過敏性腸症候群ではロペラミドという止痢薬がよく用いられ、
主な薬剤名は「ロペミン」です。
消化管の動きが過剰になっている場合(=下痢)に、
その運動を抑制する作用によって止痢作用を発揮します。
長期連用すると当然ながら消化管運動が抑制されすぎてしまい、
結果として頑固な便秘を起こしてしまうことがありうるので、
下痢症状を特に止めたいときに頓用する使い方が原則です。
2.セロトニン(5-HT3)受容体拮抗薬 :ラモセトロン
薬剤名は「イリボー」といい、2008年から使用されるようになった
比較的新しい薬剤です。
過敏性腸症候群の病態生理について取り上げたなかで、
セロトニン(5-HT)という神経伝達物質が、消化管に存在する神経に
作用してその運動や腸液の分泌に関与しているということに言及しました。
このセロトニンの作用を受ける側の細胞表面にはセロトニン受容体という
タンパク質が存在していて、数種類あるサブタイプのうちの1つである
5-HT3受容体に選択的に結合して、その作用を抑制するのがこの薬剤です。
結果として過剰になっていた消化管運動や腸液分泌を抑制し、
下痢症状を改善させます。
臨床試験の結果から、現在のところ男性にしか保険適用となっていませんが、現在女性に限定した臨床試験が進行中で、いずれは女性にも適用されるのではないかと思います。
副作用としては、消化管運動抑制という作用メカニズムから予測されるとおり、効き過ぎると便秘になってしまいますので、この点は注意が必要です。
(3)主に腹痛症状に対して用いられる治療薬
1.鎮痙薬と呼ばれる抗コリン薬
薬理学的に抗コリン薬に分類される薬剤は比較的多数あって、
いろいろな分野で使用されているのですが、腹痛症状に対して使用される代表的なお薬はブチルスコポラミン(主な薬剤名は「ブスコパン」)だと思います。
このお薬は消化管に分布する自律神経から分泌される神経伝達物質アセチルコリンがその受容体に結合するのを遮断することによって、消化管運動の過度の亢進による腹痛を軽減させます。
あたかも腸が痙攣しているような状態を鎮めるイメージであるため「鎮痙薬」とも表現されます。
この薬剤は投与されてから作用発現までの時間が比較的短いため、
腹痛時の頓用としての使用が中心となります。
ただ、アセチルコリンという神経伝達物質は体の至るところで作用しているため、この薬がその作用を遮断することによる副作用がいろいろありうるので、使用には必ずこの点を考慮します。
2.三環系抗うつ薬
三環系抗うつ薬というグループのお薬は、
ひとむかし前にはうつ病の治療薬として主流でしたが、
中枢神経系、つまり脳内の神経細胞に作用することによって、
疼痛の閾値を上げる作用があるとされています。
つまり抗うつ薬ではありながら鎮痛効果があるとされていて、
現在でも慢性疼痛の治療によく用いられています。
さらに三環系抗うつ薬はその副作用として、上に取り上げた抗コリン作用があり、それによる消化管運動抑制作用とも相まって(副作用を逆手にとるわけです)、 過敏性腸症候群の頑固な腹痛に対して適用されることがあります。
(4)主に便秘型に用いられる治療薬
1.緩下剤 :酸化マグネシウム製剤
酸化マグネシウム製剤は塩類下剤とか機械性下剤ともいわれ、
主な薬剤名は「重質酸化マグネシウム(略称カマ、あるいはカマグ)」、
「マグラックス」、「マグミット」などがあります。
服用後腸内で炭酸水素マグネシウムなどの塩類となり、
腸粘膜からあまり吸収されずに便中に残り、腸壁の方から水分を吸収して
便を軟化させる作用があります。
消化管の運動を刺激することによる排便促進作用ではなく、
機械的な作用であるため、腹痛を誘発することがほとんどなく、
長期連用も可能です。
便秘症の治療薬としては一般的に第一選択薬となります。
2.刺激性下剤
消化管運動を刺激することによって排便を促進しようとする
お薬で、センノシド、センナエキス、ピコスルファートナトリウムなどが
代表的で、主な薬剤名としてはそれぞれ、「プルゼニド」、
「アローゼン」、「ラキソベロン」が挙げられます。
市販薬では「コーラック」がこの刺激性下剤に含まれます。
極端に言うと消化管にむち打って、むりやり動かそうとするお薬
ということもでき、効き過ぎると腹痛が起こりますし、
長期連用すると消化管の反応が悪くなり、
薬剤の用量を増やさなければならなくなってしまいます。
そのため緩下薬で効果が不十分な場合にのみ刺激性下剤を併用する方が
賢明でしょう。
3.海外で認可されているが、わが国未承認の薬剤
海外では女性の便秘型過敏性腸症候群に対して、
セロトニン(5-HT4)受容体刺激薬であるtegaserodという薬剤が使用
されています。
5-HT3受容体の拮抗薬「イリボー」は過剰な消化管運動を抑制して
下痢症状を改善させる作用でしたが、この薬剤は5-HT4受容体を刺激する
ことによって消化管運動を促進して便秘関連症状を改善させようとする
薬剤ということになります。
有効性は認められていたようですが、心筋梗塞や狭心症、脳血管障害
などのリスクが高いとのことでアメリカでは2007年に販売中止になっています・・・・。
一方、塩素イオンチャンネル(ClC-2)活性化薬であるlubiprostoneという
薬剤が、これまた女性にのみ、便秘症状に対して海外で認可されています。
しかし大規模臨床試験では偽薬よりは便秘関連症状を有意に改善したとのことですが、それでも有効率は17.9%でしかなく、わが国への導入を急ぐ必要のある薬剤でははなさそうです・・・・。
次回は、病型に関係なく用いるその他の治療薬や中枢神経系に作用する抗不安薬
や抗うつ薬などの薬剤をご紹介し、そして非常に有用性が高く、過敏性腸症候群
の治療成績向上に大きく貢献していると思われる漢方治療についても
取り上げていきたいと思います。
(副院長 増田 浩三)
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┃▼┃クリニック情報:休診、お知らせ等
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・年末年始休診 12月29日(土)~1月3日(木)
・インフルエンザ予防接種 10月1日(月)から開始しております
☆接種費用 3,600円(1回目、2回目とも)
☆ワクチン 3価混合ワクチン(昨年度同様です)
※含有株:A型 カリフォルニア(H1N1) ビクトリア(H3N2)
B型 ウィスコンシン
【ご注意】
・お時間、ワクチンともにご予約は承っておりません。
・中学生のお子様は予診票に保護者のサインがない場合の接種はお受け
することができません。
お一人での来院の際は、前もって保護者の方による問診票のご記入を
お願い致します。
・小学6年生までのお子様は、予診票にサインがあっても保護者の方の
同伴がない場合の接種はお受けすることができません。
・最新の医師時間割 http://www.yoga-urban.jp/about_yoga/staff.html
急な変更等がある場合もございます。
ホームページのニュース欄にも記載は致しますが、
詳細は、お電話にて確認して頂くと確実です。
(患者様サービス担当 正者 忠範)
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