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用賀アーバンクリニック通信

用賀アーバンクリニック通信2013年8月号

2013/8/28
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┃■┃■┃  月刊  用賀アーバンクリニック通信 2013年  8月号  ┃■┃■┃
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 ━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━

 今年も暑い夏でした。山陰や九州地方では記録的豪雨による災害もあり、
 土砂災害などが増えていると聞きます。
 一方、東京でも突然の雷雨により、交通機関に影響が出たりすることがあり、
 予定を立てるのが難しいですね。
 朝、晴れていても夕立(ゲリラ豪雨)に備えて、折りたたみ傘を常に持って
 いると安心かもしれません。

 今月のメルマガですが、院長からは「感染症」のお話。
 栄養士のコラムにはお勧め料理のレシピも載っています。
 また、医療コラムは、今月から新たな病気「月経前症候群」がスタートします。
 ご期待下さい。

 ご意見、ご感想などはお気軽にお寄せ下さい。
 それでは、今月の情報をどうぞ!
 
                                                    (患者様サービス担当  正者 忠範)

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 ┃▼┃INDEX
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  ─ HOT! Topics    ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2013年8月
 
  ─ 栄養コラム     ─> 夏風邪に負けない食事

  ― 医療コラム  ―> コモンな病気ファイルその25 「月経前症候群(その1)」

  ― クリニック情報 ―> 休診、クリニックからのお知らせ等

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 ┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2013年8月
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 先月号のメールマガジンでもお伝えしましたが、手足口病が流行しています。
 都内の患者数は、少しずつ減少傾向にはあるようですが、
 まだまだ流行が続いている状況です。6歳以下の小児が大多数を占めていますが、大人の患者さんも受診されるケースがあります。

 この手足口病ですが、今年の臨床症状は例年と少し違っています。
 例年より発疹が広範囲に出現し、高熱のでる症例が大多数です。まず発熱が先行
 して、翌日に発疹がでるケースが多く、その後皮疹が広がっていきます。
 病原体のウイルスの型の違いによるものですが、
 診断に苦慮するケースもあるようです。

 手足口病は、患者さんの便から感染します。
 また飛まつ感染もするので、手洗い、うがいの励行が基本となります。
 特に子供さんの便の処理にはゴム手袋をはめるなど、注意していきましょう。

 風疹の流行は、ピークを過ぎ減少傾向にあるようです。
 8月11日から18日までの1週間の報告数は、
 
 東京都(29)、大阪府(14)、神奈川県(10)、兵庫県(8)、千葉県(8)
 
 の順であり、近畿地方や関東地方を中心に都市部での報告が多く見られます。
 全国の風しん報告数は、減少傾向にありますが、地域的な流行には引き続き注意が必要です。

 さて、10月に移転する隣のビルですが外観はほぼ完成し、
 クリニックの内装工事が始まりました。予定通り10月中旬には移転できるように、準備を進めている状況ですので、詳細が決まり次第、またご報告させていただきます。

                                                                                      (院長 田中 勝巳)
 
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 ┃▼┃栄養コラム:夏風邪に負けない食事
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 現在流行している夏風邪の一種「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱
(プール熱)」は、喉の痛みの症状が共通しています。
 そのため、食べ物や水分が飲み込みにくくなり、食事が摂れずに体力が低下したり、脱水症状を起こしてしまうことがあります。
 また、咳や発熱、嘔吐、下痢なども、食べ物によって助長されたり悪化する場合
 もあるので、症状に合わせた食事をとることが早い回復につながるといえます。

 今回は、夏風邪に負けないための症状別おすすめ食品や、レシピをご紹介します。


 ●喉が痛い、咳がひどい、熱が高い時
  
   熱いものや味の濃いもの、唐辛子やこしょうなどの香辛料は、喉の痛みを悪化
   させたり喉を刺激して咳を誘発するので避けましょう。
   
   ただし、生姜や大根の辛味は、咳を鎮めたり喉の痛みを和らげるといわれ、
   食欲増進にも役立ちますので、積極的に摂り入れたい食品の一つです。

   その他には、のど越しの良い水分が多いものや冷たいものが、
   喉の痛みや腫れなどで飲み込みにくい時にはおすすめです。
 
   体温が上がると、身体の中でたんぱく質やビタミンがたくさん消費され、
   体力や抵抗力が低下するので、早い回復のためには、
   卵や豆腐などの消化の良いたんぱく質や、野菜や果物などからビタミンを
   補うことも大切です。


  <おすすめ食品>

    おかゆ、うどん、卵、豆腐、生姜、大根、ヨーグルト、アイスクリーム、
    ゼリー、プリンなど

  <おすすめ簡単レシピ>

    冷製茶わん蒸し小田巻風

     材料(2人分)…そうめん50g 卵1個 だし汁1カップ 塩小さじ1/2
                    しょう油小さじ1/2

     作り方 … 1、卵をボールに割り白身を切るように混ぜ、だし汁を合わせる。
               2、器に、茹でて食べやすい長さに切ったそうめんを入れて、
                 卵液を流し入れる。
               3、鍋にアルミで蓋をした器を並べ、器の半分くらいの高さまで
              水を入れる。
               4、鍋に蓋をして強火で加熱し、沸騰したら弱火にして10分、
                  更に火を止めて余熱で10分。
               5、粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やす。


 ●嘔吐・下痢がある時
 
   水分だけでなく電解質(ナトリウムなど、体内の水分バランスを保持し身体
   の調子を整える物質)も失われるので、脱水症状の予防・改善のためには水分
   だけでなく塩分も補うことが大切です。

   味噌汁の上澄み、薄味の野菜スープ(具なし)は水分・塩分ともに摂ることが
   できますのでおすすめです。一度にたくさん摂ると嘔吐を助長させてしまうので、様子を見ながら少しずつ摂るようにしましょう。

   市販のスポーツドリンクは手軽ですが、糖分が多いので倍に薄めて飲むように
   するか、手作りすることもできます。

  【手作りスポーツドリンク】

    水500ml+食塩1g(親指、人差し指、中指の三本指で一つまみ分)
    +砂糖大さじ2+レモン果汁適量…ペットボトルで作ると簡単です。

     ※保存がきかないので冷蔵庫で1~2日で飲みきってください
   
   食事はいつもより柔らかく水分・塩分を少し多めにしましょう。
   梅干し入りのおかゆやうどんなど消化の良いものがおすすめです。
   
   牛乳や脂肪の多い食品(揚げ物、ラーメン、中華料理など)や
   砂糖を多く使ったもの、みかん等の柑橘系果物は、
   胃腸を刺激したり消化が悪いため症状を悪化させることもあるので避けましょう。


  <おすすめ食品>

    おかゆ、うどん、じゃがいも、豆腐、白身魚、りんごなど

  <おすすめ簡単レシピ>

    りんごのくず煮(りんごには整腸作用があります)

     材料(2人分)…りんご1個、片栗粉大さじ1
 
     作り方…1、りんごは、半分量をいちょう切り、
                             半分はすりおろして鍋に入れ、水大さじ3で弱火で煮る。
                            (焦げないよう注意)
                            2、透明になったら、片栗粉を水大さじ2で溶き鍋に入れ、
                              手早くかき混ぜて粘りが出たらできあがり。


 手軽で口当たりのよい菓子パンやお菓子などは、食感がやわらかくても、
 砂糖や油脂がたっぷり使われているので消化が悪く、
 体調不良のときには回復の妨げになる場合もあります。

 また、カップうどんなども手軽ですが、麺が油で揚げてあったり油揚げや天ぷらが入っていたりと、思っている以上に脂質が多く含まれていますので避けたい食品です。
 夏風邪の予防、そして、夏風邪に負けないためには、
 胃腸に負担をかけないよう砂糖や油脂を摂り過ぎない食生活を心掛けるとともに、早い回復のためにも症状に合わせた食事をするようにしましょう。
 
                                                                                 (管理栄養士 石田 晴美)

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 ┃▼┃医療コラム: コモンな病気ファイルその25 「月経前症候群(その1)
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 今回から数回に分けて、「月経前症候群」という疾患を扱っていきます。

 月経が関係するわけですから産婦人科の病気と思われるかもしれませんが、
 これから紹介していきますように、症状は身体的なものから精神的なものまで
 多岐にわたっていて、産婦人科以外の診療科を患者さんが受診されることが
 多いものと推測されます。
 また、この疾患には特異的な症状がないため、その診断には初期診療にあたる
 プライマリ・ケア医の役割も大きいものと考えています。
 しかし、多くの女性を悩ませているにもかかわらず、この疾患については、
 私が医学生のころは教科書にすら載っていなかったように思いますし、
 国家試験問題の選択肢でも見た記憶もありません。
 つまり、一般的にはもちろんのこと、医療者のなかにもこの疾患の概念が認識
 されていなかったわけです。ですから、煩わしい症状に困っていながらも、
 病気だと思わず受診していなかったり、受診しても正しい診断がなされなかったりしていたのですが、比較的最近になってこの症候群が疾患として認識されるようになり、世間的にも認知度が高まってきました。

「月経前症候群(premenstrual syndrome、PMS)」では、女性の月経周期における「黄体期」とよばれる時期に限定してさまざまな症状が出現します。
 月経周期は大きく2つの時期に分かれており、月経開始から排卵までの時期を「濾胞(ろほう)期」とよび、排卵から月経開始までの時期を「黄体(おうたい)期」とよびます。濾胞期の長さは人によって差がありますが、黄体期の長さは排卵からほぼ2週間と一定しており、この期間は月経開始前の時期でもあることから、この時期に限定して出てくる症状を総称して「月経前症候群」といっているわけです。 
 閉経前女性では、8割以上の方が多かれ少なかれ月経前の体調不良を感じている
 というアンケート結果があるそうですが、月経前症候群の頻度は一般的には閉経前女性の約20~40%というデータが多いようです。
 月経前症候群のなかで、精神症状が特に強く、日常生活や仕事などが高度に障害
 される重症型を「月経前気分不快障害、premenstrual dysmorphic disorder、PMDD」とよび、その頻度は閉経前女性の3~8%となっています。

 月経前症候群の具体的な症状をご紹介する前に、
 診断するにあたって重要な特徴を挙げておきます。
(1)症状が出現してくる時期は、月経周期における排卵後の黄体期であり、
     月経開始の約2週間から(実際は月経開始の1週間から10日前くらいからが多い)。
(2)月経が始まると(1~2日以内に)症状がけろっと治まってしまう。
     つまり月経周期のなかで濾胞期(月経開始から排卵まで)という
     症状が出現しない時期が必ずある。
 (3)月経周期ごとに繰り返し症状が現れる(症状の内容や程度は時とともに変動あり)。

 これらの特徴にあてはまらない場合には、月経前症候群ではなく、
 まずは他の疾患を考慮したほうがよいと言えます。

 月経前症候群の症状は実にさまざまで、症状の種類は150を超えるとも、
 200を超えるとも言われており、個人差も非常に大きいのですが、
 おおまかには身体症状と精神症状に分けて考えることができます。

 A)頻度の多い身体的症状
   ・腹部膨満感(おなかが張った感じ)、腹痛(特に下腹部痛)、
     便秘、悪心、口内炎
   ・腰痛・背部痛、筋肉痛、関節痛、肩こり
   ・頭痛、めまい、手足のしびれ
   ・乳房の張り・痛み
   ・食欲の変化(食欲亢進、食欲不振)
   ・浮腫(むくみ)、体重増加
   ・肌荒れ・ニキビ
   ・疲労感(疲れやすい、疲れがとれない)、倦怠感(だるい)

 B)頻度の多い精神的症状
   ・イライラする
   ・感情が不安定(怒りっぽくなる、涙もろくなる)
   ・抑うつ(気分が落ち込みやすくなる)
   ・理由もなく不安になる、緊張しやすくなる
   ・睡眠障害(不眠、眠気)
   ・集中力が低下、忘れっぽくなる
   ・性欲の変化
   ・日常活動力の低下(家事をしたくなくなる、
                       仕事の能率が低下する、
                       人と会いたくなくなる)


 この精神症状が強く表に出ていて、日常生活や仕事などに高度に影響が出ている
 場合、「月経前気分不快障害(PMDD)」とよぶことはすでに述べましたが、
 このようにあたかも精神的な疾患のようにみえる場合でも、
 月経前症候群の特徴である、排卵後の症状出現、月経開始と同時に症状消失、
  というパターンをとることは重要なことです。

 月経前症候群の病因については、いまだ詳しく解明されていません。
 月経周期がからむわけですから、必ず女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)が関係していることは間違いないわけですが、その分泌の量よりも、女性ホルモンに対する感受性の亢進が一因という説があります。
 また神経伝達物質の一種であるセロトニンが脳内で不足するという説もあり、
 これはセロトニンを高める薬剤が治療に有効なことからも納得できます。
 一方、母親が月経前症候群であった場合、その娘にも発症する確率が高かったと
 いう調査結果があることや双子での研究などからは遺伝的な要因も少なからず
 あることが示唆されています。

 月経前症候群における大きな問題は、こういった病気があるということを知らずに我慢している女性が多い、受診してもこの疾患を正しく診断されるに至っていない、または病院に通院はしていても、症状が期間限定のため、自分のもともとの体質だと考えて医師に相談していない、あるいはなんとなく婦人科を受診すること自体にためらいがある、男性医師には相談しにくい、などの理由で、 まだまだ多くの女性がこの症候群に悩まされ続けていることだと思います。
 もし、ご自身がこの疾患によく当てはまると思われた方は、まずは機会をみつけて医師にご相談いただければと思います。

                                                                                        (副院長 増田 浩三) 
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 ┃▼┃クリニック情報:休診、お知らせ等
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 ・移転に伴い、下記期間を休診とさせて頂きます。

  ○休診期間 10月10日(木)~12日(土)

  ○移転開業予定日 10月15日(火)

  患者様にはご迷惑をお掛け致しますが、ご理解頂けますようお願い申し上げます。
   また、行政手続の関係上、スケジュールが変更になる場合もございますことを
   ご了承下さい。

 ・6月より、火曜日午前の担当医が、以下のように変更となっております
   
        第1、3   小澤医師(小児科)
       
        第2、4、5 満尾医師(循環器内科) 

 ・医師時間割  http://www.yoga-urban.jp/about_yoga/staff.html#020
   
    急な変更等がある場合もございます。
    ホームページのニュース欄にも記載は致しますが、
    詳細は、お電話にて確認して頂くと確実です。


                                                       (患者様サービス担当 正者 忠範)

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 ━━ この用賀アーバンクリニック通信について ━━━━━━━━━━━━
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 〔バックナンバー〕     http://www.plata-net.com/blog/yoga/

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