COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

ちょっと気になる昼ごはん ~レトルトカレー~

2020.03.27

コロナ騒動で、特に昼ごはんの栄養が気になっているという声を多く聞きます。
できるだけ、手間をかけず、体に良い食べ方をしたい方へ、まずは、買い置きできるレトルトカレーを賢く利用するための情報をお届けします。

パッケージの大きさは変わらないのに値段が大きく違う理由の一つに「具、特に肉の量」があります。肉の主な栄養素はたんぱく質です。ですから肉の量が多ければ、たんぱく質も多くなり、安いものは、やはりたんぱく質も少ないという商品が多く出回っています。

たんぱく質の値は、パッケージの食品成分表示を見るとだいたいわかります。肉は種類や部位で差はありますが、約100gの肉でたんぱく質は約20g含まれています。たんぱく質は、健康な大人なら、体重1㎏あたり1gくらい必要です。体重60㎏なら1日60gくらいですから、1食分に必要なたんぱく質は約20gになります。パックごはん(200g)は、炭水化物が主な栄養素ですが、約5gのたんぱく質もとれます。
(ただし、ごはんのたんぱく質は肉のたんぱく質よりやや質は劣ります)

ということは、例えばレトルトカレーのたんぱく質が5gのものとご飯200gであれば、たんぱく質は1食10g、つまり必要量の半分しかとれないことになります。

たんぱく質5gのカレーは、計算上では肉は約25g。焼肉なら1枚分、唐揚げならお弁当サイズで1個分です。200gのご飯のおかずにはとても少ない量ですが、カレールウがあるとおかずになるので1食として成り立ってしまいます。肉25gだけでは、体の最も大切な質の良いたんぱく質が不足するので、内臓や筋肉、血液、免疫細胞を作る材料が不足します。また、ごはんをエネルギーに変えるビタミンB群も少ないので太りやすくなります。

すでに買い置きしたものや、好みのレトルトカレーのたんぱく質が少ない場合の解決策としては、別のカレーの具になる食材を足したり、カレー以外のもので補うという方法があります。

安くて手軽で良質なたんぱく質がとれる食材は卵です。卵1個で約6gのたんぱく質がとれるので、まずは卵を足して食べましょう。その他に手軽にたんぱく質が増やせる具には、サラダチキンやカニカマ、厚揚げなどがあります。

魚不足の方はシーチキンやサバの水煮缶をのせて。ごはんの食べ過ぎが気になる方やカサが増えると食べきれない方は、もめん豆腐小1パックや市販のゆで(蒸し)大豆を温めて入れご飯を少なめにしてみましょう。牛乳や豆乳など飲み物で足すのもよい方法です。
ただし、ラッシー(牛乳とヨーグルトに砂糖を入れたもの)は、体重や血糖値が気になる方にはおすすめできません。
免疫力の低下を予防するには免疫細胞の材料であるたんぱく質が重要です。
たんぱく質量をチェックして、レトルトカレーを賢く活用した昼ごはんをどうぞ。

(管理栄養士 蛯原啓子)

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