COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

心の元気は食事から その1

2020.07.31

栄養相談では、長引くコロナの影響によるストレスで何をするにもやる気が起きないという声をよく聞くようになりました。自粛による運動不足も手伝ってますます心身の健康への影響も心配ですね。そこで心を元気にする食事について2回に分けてお伝えします。

やる気を起こすのは心の働き、つまり脳の仕業。私達の体は毎日少しずつ作り変えられています。脳も同じです。その脳に必要な栄養が不足していれば、本来の力を発揮できないというのは冷静に考えてみるとごく当たり前のことだと思いませんか?

最近、うつ病などの精神疾患も栄養学的な研究・報告も増え、『栄養療法』として食事を治療の一つの手段として取り組んでいるというところも増え始めました。これは、食事が『タイミング』と『質』次第で違うことがわかってきたからです。

食べるタイミングについては特に朝食が効果的だとわかってきました。実際、患者さんのやる気がおきない方の朝食は、食べていないか、もしくは毎日決まった時間に食べられていません。朝食を食べていなくても脳が1日に必要な栄養量はある程度決まっていますから、栄養量が足りなければ、それなりに節約したり、質を落として維持をしていきます。
脳は感情だけでなく、全身に指令をだすところですから、それが続くと当然、体は不具合が起きてしまうのは自然な流れです。

今、やる気がおきないと感じる方におすすめしたいことは、休日もほぼ同じ時間に朝食を食べるようにすることです。

生活リズムを整えるには何を食べるかの前にまずは、定期的に食べることから始めましょう。栄養バランスも大切ですが、朝の食事が定期的に食べられることができていれば腸の健康につながります。まずは大事な栄養を1日のスタートに効率よく吸収できることが、
脳にも必要な栄養が届くことになります。

朝ごはんはやる気を起こす大事なスイッチです。昼や夜にどんなにしっかり食べても、
朝食のメリットには病気や肥満予防にもたくさんの報告があり、効果は何倍にも及ぶことがわかっています。朝ごはんが毎朝おいしく食べられる過ごし方をすることは、夜の過ごし方、食事のとり方や睡眠の質の向上にもつながります。
少しずつできることから始めてみませんか。

(管理栄養士 蛯原啓子)

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