COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

「甘くない」「低カロリー」でも血糖値は上がる?!

2020.10.30

今年はコロナ太りもあって、血糖値が気になる方から「やせないといけないから、甘いものは控えてカロリーの低いものにしている」という声をよく聞きます。

これは、確かにそれが正しい選択になることもありますが、すべてが「血糖値が上がりやすいものは甘くてカロリーが高い」ということはありません。むしろカロリーよりも糖質の量に注目すると高血糖の問題が解決することがあります。それは、糖尿病の方では1gの糖質を摂取すると約3~5㎎血糖値を上げるといわれていて、カロリーの差ではないことがわかっているからです。

下記2つに思い当たる方は注意が必要です。

1.ケーキなど甘いものは食べないが、おかきやせんべい、柿の種をよく食べている

おかきやせんべいなどは米からできているため、500円玉大1~2枚の薄焼きでも、コーヒーに入れるスティックシュガー(1本3g)で表すと、1本~2本くらいの糖質になります。1回で食べてしまうことの多いケーキと違って、一袋買ってちょこちょこつまむ食べ方をすると、1回のカロリーはケーキより低いものの、つまむたびに血糖値が上がります。

柿の種の袋にあられと一緒に入っているピーナツは血糖値が上がりにくいのですが、米菓であるあられで上がった血糖値をピーナツのアブラによって下がりにくくします。腹持ちはよくなり低血糖の予防にはなりますが、夜のちょっとしたおつまみにしている方は、血糖値のコントロールの悪化や、やせにくさの原因になっているかもしれません。

2.揚げ物やステーキは食べないが、ぎょうざはよく食べている

天ぷらやフライは、イモ類の天ぷらを除くと衣の糖質だけで、中身は糖質の少ない魚介類や肉、野菜です。ステーキの場合はソースに多少糖質がありますが、ほとんどぎょうざ1個分(糖質約3~5g)くらいしか含まれていません。しかし、ぎょうざは複数個食べます。
皮の厚みや大きさで差がありますが、例えば6個食べると、糖質は、コーヒーのスティックシュガー(1本3g)で表すとだいたい6~10本分と明らかに糖質が多くなります。

血糖値の上がりやすさは【甘いか甘くないか】や【カロリーが高い低いか】だけではありません。

大好きな揚げ物やケーキを我慢している方、たまには楽しんで食べる日を作り、その代りに、日頃よく買うもの、よく食べるものを見直してみてはいかがでしょうか。

(管理栄養士 蛯原啓子)

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