COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

甘いおやつの隠れた塩分

2021.05.28

甘いものを選ぶとき、カロリーの高さや、甘すぎるものは控えているという方が多いのですが、見逃しがちなことは塩分です。ポテトチップや塩せんべいは、口に入れると塩味なので分かりやすいのですが、甘いものには塩分が含まれていることがわかりにくいので油断しがちです。

塩は、体に必要なものではありますが、摂り過ぎると、高血圧、動脈硬化の原因になるなど、健康への悪影響があるため、厚労省が日本人の食事摂取基準の塩分摂取量は男性1日7.5g未満、女性1日6.5g未満を推奨しています。

WHO世界保健機関の食事摂取基準では、男女とも1日5g未満、日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しているほど、塩分のとり方は健康な生活をおくるための重要なポイントです。しかし、ラーメン1杯のスープを飲み干すだけで5~8gの塩分ですから、目標に近づけるには、何に含まれているかを知って、普段から減塩することが大切です。

1日3食で考えると1食2~3g以内が目標ということになります。しかし、食事で摂る塩分で、この少なさですから、おやつに塩分が増えるとさらに過剰摂取になります。甘いものの中でも、どら焼きやまんじゅうなど、あんを入れて作る場合には、隠し味としての塩を入れないと美味しいあんになりません。そのためどら焼き1個で0.2~0.4gくらいの塩分が含まれています。また、パンは生地に塩を入れて作るので、あんパンになると、食パンよりも塩分が多くなります。あんパンだけでなく、クリームパン、アップルパイやタルトなどのサクサクした生地のものも1個0.4~0.8g、その他シュークリームやバウムクーヘンなども1個0.2~0.4gになります。

1回に2個食べると、カロリーだけでなく塩分も2倍とることになります。
塩分は食欲が増し、ついつい食べ過ぎやすいので、食欲のコントロールの方法のひとつに減塩していくことも生活習慣病の予防として大変有効です。甘くておいしいものを安心して楽しむためにも、普段、何気なく行っていることから塩分を減らしていきましょう。

例えば、

・納豆についているたれは0.5~0.8gあるので1袋全部使わない、
・しょうゆやドレッシングなどの調味料は、皿に残らない程度にかける

など、使用量を控えると、減塩できて節約にもなります。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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