COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

口内炎と食事

2021.08.31

舌や頬の内側などに口内炎ができると痛みのために食事が食べにくくなりますね。
口内炎は、誤って噛む、たばこ、睡眠不足、ストレス、アレルギーでもできてしまうこともありますが、栄養不足も原因の一つとされています。

今回は、炎症が起こってしまったときの、口の中を刺激しない食事のポイントと予防になる食事についてお伝えします。

食べやすい食事の工夫 ポイントは3つ

  1. 温度・・・熱すぎても冷たすぎても刺激しやすいため、
    常温から人肌くらいの温度が最適です。
  2. 味・・・濃い塩味、酸味の強いすっぱいもの、
    ワサビやトウガラシなど辛いものは避けます。
    汁物や煮物は、だしを濃くして調味料を入れると
    薄味でも美味しく食べられます。
  3. 口あたり・・・パリッとした食感のものは炎症部分にあたると痛みが増すので、
    水分が多くて軟らかい食材がおすすめです。

そうめんなどのめん類や卵豆腐など水分が多い方が食べやすい食材ですが、注意が必要なことがあります。水分が多いと同じ重さでも一口当たりのとれる栄養量は少なくなります。例えば、卵豆腐1個80gで約30kcalですが、卵1個50gで約80kcalなので、温泉卵で食べる方が栄養量は多く取れます。

幼児や高齢者など、1食で食べきれる量が少ない場合、普段よりとれる栄養量が減って体力の低下につながりますので、デザートやおやつにヨーグルトやプリンなど乳製品や卵を使ったデザートやミルクセーキなどの飲み物を少量でも補給すると、栄養量が増やせます。

予防と治療食のポイント

回復を早め、予防をするためにもまずはビタミンB群が不足しない食事が重要です。
ビタミンB群は豚肉やレバー、いわしやまぐろ、納豆、牛乳、卵、ほうれん草などの緑黄色野菜やバナナなどの果物、ピーナッツや海苔にも多く含まれています。しかし、これらの食品を食べていても、ごはんやめん類、お菓子など糖質が多い食事やアルコール、精神的・肉体的な疲労、睡眠不足でも消耗する栄養素です。

だからといって、まとめてとっても水溶性のビタミンなので余分なものは尿に排泄されてしまうので、毎食の食事が重要なのです。

このコロナ禍を元気に過ごすにもビタミンB群は重要です。

口内炎は、栄養不足を教えてくれる症状のひとつでもあります。
ついつい食べやすさ重視の食事や、忙しくて食事を抜いてしまったりする方は、口内炎ができた時は、食事を見直すサインと思っていただくと良いと思います。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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