COLUMN
管理栄養士の栄養コラム
疲れにくい身体でいるために
2021.09.30
私たちは、お腹が空いて「何食べよう?」と考えるときがたくさんありますね。
何を食べるかを決める時にちょっと気にしてほしいことが2つあります。
ひとつは『その前に何を食べたか』
もうひとつは『次はいつ食べるか』ということです。
なぜ、その2つを気にする必要があるかというと、心身ともに元気に過ごすには、
疲れ切ってからスタミナ食や栄養ドリンクをとるより、普段からできるだけ定期的に過不足なくいろいろな栄養素を体に取り込む方法を習慣にすることが、一番疲れにくい身体を維持できるからです。
私達の身体は、食べたもので作られ、毎日小さな細胞レベルで作り変えられながら生きています。1食抜いても生きていられるのは、その前に食べた栄養のわずかなストックと
これまで作ってきた身体の命にすぐ直結しない部分を削ったり、体の機能を少し節約したりしているためです。
栄養不足で節約して生きる状態が続く(習慣になる)と
・なんとなく疲れやすい
・寝ても疲れがとれない
という状況になります。
そんな時は、内臓や脳の機能も低下してくるので、
心も壊れやすくなります。
また、このコロナ禍では、免疫システムに影響する栄養を減らすことはリスクも高めてしまいます。
食後2時間くらいで、空腹感があるのであれば、食事の見直しが必要です。
例えば、おにぎりや、食パンだけのような食事では、糖質はすぐエネルギーになるかわりに、短時間しか持たず、しかも一気に食べると眠気やだるさの原因になります。
こんな時は、肉、魚、卵、豆腐、乳製品、野菜、果物などが加わるとたんぱく質やビタミン、ミネラルがとれるので身体の働きをスムーズにする材料がそろい、腹持ちもよくなります。
栄養バランスをよくするには、幕ノ内弁当や定食スタイルが一番良く、麺や丼ものの場合は、
・肉、魚などが片手分くらいあるか
・野菜が片手分くらいあるか
をチェックしましょう。
足りなかったら、牛乳やヨーグルト、豆乳、野菜サラダやおひたしなどを足すと、身体は、良質な血液やホルモンや酵素、新しい細胞をしっかり作ることができ、栄養を全身に十分いきわたらせることができます。
食事の間隔で望ましいのは5~6時間です。食後4時間で軽い空腹感になる量が適量です。4時間でも空腹にならない場合は、食べ過ぎ、もしくは胃腸の働きの低下などが考えられます。
食事の間隔は睡眠を挟まない場合はせめて8時間以内には次の食事が食べられるように、意識してみましょう。そして主食以外はその前に食べたものが肉なら魚、サラダなら炒め物など、違う食べものを選ぶと栄養の種類を増やせます。
「何食べよう」の場面は食事を振り返るチャンスです。
疲れにくい身体でいるためには、まずは食事をとるタイミングと食事パターンを見直すことをおすすめします。
(管理栄養士 蛯原 啓子)