COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

チーズとから揚げは似ている?!

2022.01.31

チーズは、良質なたんぱく質やカルシウムの補給ができることで良く知られています。
今回は、その他の特徴と食べ方をご紹介します。

チーズを特におすすめしたいのは、一度にたくさん食べられない子どもや食が細い方、低栄養になりがちな高齢者、食べる時間が短時間しかとれない方です。なぜかというと、水分が少なくコンパクトなサイズでもしっかりエネルギー補給ができるからです。

食品に含まれている栄養素の中でエネルギー源になるものは、

炭水化物
たんぱく質
脂質

です。

炭水化物やたんぱく質は1gあたり4kcalですが、脂質は1gあたり9kcalと高いので、脂質が多いと小さくてもカロリー高めのエネルギー源になります。

スライスチーズ1枚の重さは約20gで約60kcalのエネルギーですが、これは鶏から揚げ20g(小さめ1個)でとるたんぱく質や脂質とほぼ同じくらいです。エネルギー補給が目的の場合、揚げ物並みに脂質が多いのに、脂っぽさを感じさせずに簡単に食べることができるというのは、非常に効率が良い食品と言えます。

同じ20gで比較すると絹ごし豆腐の20g(カレースプーン1杯)は約10kcal、ごはんの20g(コンビニおにぎり1/5個)は約30kcalです。エネルギー量の違いは、水分量の違いもありますが、特に注目すべきは脂質の量の違いです。

ですからいつもの料理にパルメザンチーズをたっぷり振りかけたり、とろけるチーズを一枚載せたり、間食に食べたりすると、食事のカサをあまり増やすことなく、エネルギー補給することができます。ただし、から揚げと同じくらい塩分もとってしまうことになるので、塩分の多いおかずや調味料は、控えめを心がけておくと安心です。

体重が気になる方には、低脂肪のチーズとして、脂質がスライスチーズの約3分の1(20gあたり約20kcal)のカッテージチーズがあります。

いつものサラダに加えると低脂肪でたんぱく質を増やすことができます。
最近は、焼き肉やお菓子などにチーズをトッピングしたり、中に入れたりしているものも増えましたが、『チーズ入り=カロリー高め』と認識して食べましょう。

脂質の多い食事は、腹持ちが良いので次の食事までの間隔があくときに食べると効果的です。しかし、腹持ちが良いということは、消化にも時間がかかるということでもあります。夜にお酒のつまみで食べるときは、食べ過ぎると朝の食欲が減退したり、体重増加の原因になったりするので、食べるタイミングによって量を調整すると良いですね。

チーズと鶏から揚げは、たんぱく質、脂質、塩分はほぼ同じくらい含まれます。
しかし、骨や歯などに必要なカルシウムは鶏肉にはほとんど含まれていません。

不足しがちな栄養を手軽に補給することにも役立つチーズ、
特徴を知って活用してみてはいかがでしょうか。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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