COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

花粉症と感染症に共通する食事と腸内環境

2022.03.30

最近、栄養相談では、新型コロナウィルス感染症も花粉症も
『腸内環境をよくすることが大切』
という情報をもとにした食品について聞かれることが増えました。
私は、今の体重や体調、検査値、生活状況などの情報から判断して、その食品の摂取がどのように影響する可能性があるのか、ということをお伝えしています。

なぜかというと、食品中の成分や摂取するタイミングによっては、体重や血糖値、中性脂肪、コレステロール、あるいは胃腸や肝臓、腎臓などに影響する場合があるからです。

続けて摂りたい方には、薬のように即効性のあるものではないため、きちんと体調や排便、体重などの観察や記録をとることをおすすめしています。

しかし、健康情報に熱心な方ほど、効果が確認できないうちに、また次のものを購入される傾向にあります。

新しい食品を試す前に、まず腸内環境を悪化させていることはないか、以下の2つをチェックしてみましょう。

  1. 砂糖やアブラ(油・脂)、肉、アルコールが多い

量や頻度を少しでも減らすことで今より腸内環境はよくなります。
アルコールに関しては、花粉症の期間だけでも飲まないことで悪化のリスクを
軽減することがわかっています。

  1. 夕食を食べてから寝るまでの時間が3時間以内で、お腹いっぱい食べてしまう

内臓の負担が睡眠の質を低下させるため、炎症や免疫にかかわるホルモンの効果が減少します。
夕食はせめて寝る前2時間前までにゆっくりよく噛んで
腹八分におさえた食事をとるように心がけるとよいですね。

腸内環境は、便秘や下痢でもなく、毎朝すっきり排便ができているかでもおおまかな判断ができます。
便の変化は食事や水分だけでなく、病気やストレス、薬が影響することもあります。
毎日観察すると、前日の食事の反省や当日のコンディションの確認ができるので、今後の健康管理に役立ちます。

腸内環境は、食事だけでなく睡眠や運動習慣の影響もあると言われています。
つまり、花粉症も感染症も、基本的な生活習慣を見直すことで対策できることがあるということです。

習慣が身体をつくります。

習慣が変われば人生がかわることも十分ありえます。
身に付いた習慣を少しずつ見直していくことは、地味ですが確実に効果のある方法だと思います。

春になりました。新しいことを始めるには良い時期です。
是非、自分のために、大切な人のためにチャレンジしてみませんか。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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