COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

塩分1g減らす健康法 コンビニ食で始めよう

2022.04.28

長引く新型コロナウィルス感染症の影響で、以前よりも外食が減ってコンビニが『我が家の台所』『我が家の冷蔵庫』になっているという声も多く聞かれるようになりました。しかし、購入時にバランスやカロリーは気にしても、塩分まで気にする方はまだ少数派です。

塩分多めの食習慣は、認知症のリスクのひとつでもある高血圧を発症しやすくなります。
また、夜のトイレの回数を増やすことで睡眠の質が低下したり、食欲増進効果によって体重増加したりしやすくなります。若いときからの味の濃いものに偏った食生活は、生活習慣病の近道になるのでコンビニ食も賢く食べることが必要です。

塩分は、

  • WHO世界保健機関の食事摂取基準では、男女とも1日5g未満
  • 日本高血圧学会では1日6g未満を推奨

していますが、

  • 日本人の1日平均塩分摂取量は男性10.9g女性9.3g
    (令和元年国民健康栄養調査)

とはるかに多くの塩分を摂取しています。
厚生労働省が示している食事摂取基準2020年度版では、

  • 平均塩分摂取目標量は男性1日7.5g未満、女性1日6.5g未満を推奨

していますので、1食で3gを超えないように食事をとりたいものです。

コンビニの食品のメリットは、多くの食品に塩分を記載した食品表示があることです。
まずは、購入するときに食品表示を確認しましょう。
「小さな表示は読みにくい」
「コンビニの滞在時間を短くしたい」
という方は、各社のホームページでほとんど確認できます。

おにぎりは、梅や昆布、鮭など塩味がついたもの、あるいは炊き込みご飯のように味のついたものは、1個食べると約1.5g前後の塩分になります。

おかずに味の濃いものを食べたい時は、白飯や雑穀ご飯、玄米ご飯など、味のついていないご飯が入ったお弁当がおすすめです。お弁当の場合は、漬物やつくだ煮など味の濃いものや添付の調味料、みそ汁などの汁の量を調整すると塩分を減らすことができます。

うどんやラーメンなどの麺は、塩を入れて作り、それに味をつけて食べるので1人前はほとんどのメニューが塩分1日分に相当する5~8g摂取します。
ですからスープを飲む量を半分にしたり、麺類を食べる頻度を減らしたりすることで塩分の平均摂取量を減らすことができます。

パン類は、ハンバーガーやカツサンド、ピザのように濃い味のものだけでなく、甘いパンでも、パン生地には塩分が含まれています。

気を付けたいのは、ホットスナックや野菜サラダなど1品を増やすことで塩分も増えることです。添付の調味料もそれぞれで使うのではなく、味の濃いものと一緒に食べたり、交替に食べたりすると1食でとる塩分は減らすことができます。

『塩分1g減らす』という小さな積み重ねは生活習慣病予防の1歩です。
まずは、わかりやすいコンビニ食から始めてみませんか。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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