COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

甘いのに甘くない?低カロリー食品

2022.05.30

最近、『低カロリー』『カロリー50%オフ』『カロリーひかえめ』『カロリーゼロ』
などの表示食品が多種類販売されるようになりました。甘味はおいしさに欠かせない要素ですね。

甘く感じるけれどカロリーを抑えている甘味料については、腸内環境や、体内で起こる化学反応や酵素反応(代謝)への影響、甘味依存など様々な議論がされています。使われるようになってからの歴史が浅いので、「習慣的に大量摂取することは慎重になる方がよいのではないか」という意見もあります。

ダイエットのために、カロリーゼロのゼリーやコンニャクを、ご飯やおかずなどを食べずに食べることは最も間違った食べ方です。一気に痩せますが、栄養不足になり肌や髪も荒れやすく、老化を早め、感染症にもかかりやすくなります。しかもその後リバウンドしやすくなるのでマイナスなことばかりです。

企業が様々な研究を重ね商品化していますが、消費者庁では、包装された食品には栄養成分表示以外に「無~」「低~」などの表現は基準を作って栄養強調表示をすることを認めています。

「ゼロ」「ノン」「無」の表示の場合

固体でも液体でも同じ基準

100g・100mlあたり
・熱量は5kcal未満
・脂質は0.5g未満
・糖類は0.5g未満

ですから、本当にゼロkcalということではありません。

「低」、「オフ」、「控えめ」「ライト」「少」の表示の場合

固体か液体かで基準が違う

100gあたり
・熱量40kcal未満
・脂質3g未満
・糖類5g未満
100mlあたり
・熱量20kcal未満
・脂質1.5g未満
・糖類2.5g未満
(*糖類は糖質に含まれ、糖質は炭水化物に含まれます。)

カロリーがあるものよりカロリーが低いものの方が健康的でしょうか?

私たちは、食べることで炭水化物やたんぱく質、脂質からカロリー(熱量・栄養素)を吸収して、脳や心臓や血液、ホルモンなど体の材料とエネルギーを作って生きています。
カロリーがなく、体内で利用されなくても、摂取したものを処理する過程は内臓が受け入れています。

ですから私は子どもの場合、肥満であっても内臓機能が未発達なので甘いゼロ商品などの摂取は避けるようにお伝えしています。大人であれば、朝、昼、夕3回食事しても、どうしても甘味のあるものを摂りたい場合に活用する方が良いのではないかと思います。

商品情報だけでダイエット効果を期待してしまうのも無理はありません。
しかし、冷静になって、本当に今必要なのか、ちょっと考えてから有効に活用していただきたいものです。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

栄養コラム一覧へ
ページの先頭へ戻る