COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

夕方のお菓子の影響

2022.06.30

夕方に食べている何気ないものが、実はダイエットがうまくいかない原因になっていることがあります。今回は、痩せたい方へ夕方のお菓子の影響についてお伝えします。

クッキーやスナック菓子などは、甘さ控えめでも、糖質と脂質多めでつくられているため、見た目以上に高カロリーでコレステロールが上がりやすいおやつです。

最近、チョコレートを健康のために食べる方が増えました。
成分は優れていても注意したいのは、高カカオチョコレートは普通のチョコレートよりも、脂質が多いことです。個包装の薄い1枚約5gで脂質は約2g含まれるので、3枚食べるとから揚げ1個分の脂質に相当します。夕方以降は、消費も少なくなる上に、脂質の割合が多いほど痩せにくいため、夕食のメニュー選びや摂取量には注意が必要です。

また、チョコレートは、尿量や睡眠にも影響するカフェインを含むので、食べるなら夕方よりも日中の方がおすすめです。せんべい、まんじゅう、飴、グミなど砂糖や米などで作ったお菓子は、糖質が多いため、食べるとすぐに疲れがとれる感じがします。しかし、その後は血糖値の急上昇と急降下によってだるさや眠気、集中力の低下、イライラなど精神的に不安定になることがあります。

これは、砂糖が多いと特に起こり、甘いものは食べれば食べるほど、食べ続けてしまうという悪循環に陥りやすくなります。

また、「今日はたくさん動いたのだから」と思っていても、体は食べた後の運動量(消費量)が少なければ、過去にさかのぼってエネルギー清算してくれないため、余ったエネルギーは、脂肪として体に貯めてしまいます。これが運動していても痩せない多くのパターンです。

体は、食べたばかりの糖を先にエネルギーとして使い、大部分を減らしてからしか脂肪をエネルギーとして使いません。昼食後に糖のあるものを摂らないでいると、夕方には、体のエネルギーである糖が少なくなってくるため、次のエネルギーとして脂肪を使い始めますので、小腹が空き始める夕方は、余分な脂肪を減らす最適な時間帯といえます。

脂肪の燃焼を増やすにはここで階段や散歩など有酸素運動をすると、さらに効果的です。お菓子を食べるなら夕方より昼食後に楽しみましょう。

この時カロリーだけを考えて、お菓子を食べるからと食事を減らしすぎると体に必要な栄養、特にタンパク質やミネラル、ビタミン、食物繊維が不足し、疲れやすくて痩せにくい体になります。昼食をパンだけ、おにぎりだけ、そばだけのように、軽く済ませる習慣になっていませんか?それが、夕方のお菓子がやめられない原因になっていることがあります。

まずは昼食を軽く済ませず、ご飯に肉や魚、卵、豆腐などたんぱく質や脂質のとれるおかずに野菜を組み合わせて、しっかり食べると腹持ちもよくなります。

3食のうち、昼食を一番多めに食べるように心がけることは、お菓子や夕食の食べ過ぎが予防でき、ダイエットに効果的です。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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