COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

「風邪・インフルエンザ対策になる食事」

2020.01.28

風邪やインフルエンザが流行するこの時期は、病原体が入ってきても負けない 身体づくりをするために、まずは免疫力を下げない食事のとり方が重要です。

『風邪にはビタミンC』と言われますが、私は、根本的な予防として、 『たんぱく質』と『ビタミンA』の摂取を優先することをおすすめします。

どんな人にも備わっている免疫細胞は、体内に入ってきた病原体を退治してく れる大切な細胞でその免疫細胞の材料はたんぱく質です。

私たちの体は毎日少しずつ作り替えられていて、免疫細胞も毎日作り替えられて います。しかし、材料であるたんぱく質が不足すると、免疫細胞を作り替える量 が減ってしまい、外敵と戦う力が弱くなります。

また、最初に病原体が入ってくる鼻やのどの粘膜もたんぱく質でできていて、 栄養を吸収する胃腸の粘膜もたんぱく質でできています。
材料が不足した上に、ビタミンAが不足すれば、粘膜が乾燥しやすくなるので 丈夫な粘膜ではなくなってしまいます。

良質なたんぱく質は、卵、肉、魚、大豆製品、牛乳・乳製品などに多く含まれます。

ビタミンAは卵、レバーや銀だら、ホタルイカ、うなぎ、海苔などに多く含まれて おり、野菜では、ビタミンA作用をするカロチノイドがニンジンやカボチャ、 ホウレン草など、色の濃い緑黄色野菜に多く含まれていて、油と一緒にとることで 吸収がよくなります。

ただし、ビタミンAは、緑黄色野菜のカロチノイドはとり過ぎの問題はありませんが、 レバーやサプリメントなどは、とり過ぎると肝障害など副作用をおこすことがある ので注意が必要です。

ラーメンやパスタ、うどんのような麺類や、パンやおにぎりだけのような食事は、 良質なたんぱく質やビタミンAが不足しやすい食事です。

そんな時は牛乳や豆乳、ニンジン入りのジュース、カボチャのスープなどの水分 で補ったり、卵やチーズ、ヨーグルト、枝豆、節分用に売られている煎り大豆など をおやつやおつまみにとることも対策になります。

良質なたんぱく質とビタミンAをしっかりとった上で、ジャガイモやミカン、イチゴ、 キウイフルーツなどビタミンCの多いものを摂取するとさらに予防効果が高まります。

いつもの食事がいつもの身体をつくります。
かぜをひきやすい方は、今年からはいつもとちょっと違う食事を選んで 免疫力アップの年をスタートさせてみてはいかがでしょうか。

(管理栄養士 蛯原啓子)

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