COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

「体臭と関係のある食事」

2019.08.27

暑い夏は汗をかくことで、寒い冬よりも体臭が気になりますね。
体臭は、汗や皮脂などに雑菌が増えると臭う場合もありますが、 食事が原因のこともあります。

にんにくやねぎ類は切るとすぐにおいが発生するので、食後にわかりやすいのですが、 すぐにわからない食事にも、体臭の原因になっていることがあります。

特に最近は、ダイエットのためにご飯やパン、麺などの炭水化物を押さえ、 おかず中心で食べている方も増えてきたことで体臭がキツくなっている方もいらっしゃいます。

その原因としては大きく2つ、

  1. ご飯からの食物繊維の摂取不足
  2. 肉食の増加

です。
ご飯を控えると食物繊維が減ってきます。
食物繊維が不足すると腸内細菌のバランスが変化し腸内環境が悪化するため 体臭が発生しやすくなります。

また肉に含まれるたんぱく質はアンモニアに分解されるためアンモニア臭が発生し、 脂肪は時間が経ったり、熱が加わると酸化して臭いが発生するので、 摂り過ぎると便やおならも臭くなります。
ですから同じ肉でも、蒸し鶏(サラダチキン)よりもから揚げやとんかつなど、 油で揚げた料理が多くなってくるとますます臭いの原因が増えます。

酸化した食品というのは、肉類に限らず、フライドポテトやスナック菓子、マーガリンなどを使った 洋菓子なども含まれますので、こってりした肉のおかずにプラスしてデザートとして摂ると、 果物をデザートとして摂取したときより体臭が発生しやすくなります。

たんぱく質はカラダを作る大切な栄養素ですから、毎食とることは必要ですが、 ご飯を食べない代わりに大量の肉を食べたりすることは、 体臭の問題だけでなく、栄養のバランスが悪くなり、病気の原因になることもあります。

最近ではメタボ臭という言葉も聞かれるようになりました。
中性脂肪や血糖が高い方、アルコールが多く、肝臓の機能を示す数値が悪化している方も 体臭が強くなることがあります。便臭が強い方は肉類を少し減らして、 野菜や海藻等をしっかり摂り、その臭いの変化を観察してみてください。

<メタボを予防し、不快な体臭を予防するための食事のポイント>

  1. 酸化させない働きをもつポリフェノールを多く含む食品を摂る
    野菜:ピーマン、ニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜、 なすは皮ごと、生姜
    果物:ブドウ、プルーン、りんご、ブルーベリー、桃
    飲み物:茶、コーヒー、紅茶、ココア
  2. おなかの調子を整える発酵食品、食物繊維豊富な食品を摂る
    納豆、キムチ、ところてん、海藻類、きのこ類、
    ポリフェノールの効果は食べてから2~4時間です。
    飲み物や3食で摂取して、不快な体臭の不安なく残暑をのりきりましょう。

(管理栄養士  蛯原啓子)

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