COLUMN
管理栄養士の栄養コラム
外出自粛で増えた体重を戻すには
2020.05.28
栄養相談では自粛生活が続くことで「太った」の声を良く聞くようになりました。
コロナ感染者の悪化要因『基礎疾患』の中には、体重増加での影響を受ける場合もあるので、もともと痩せていて体重増加の必要のある人以外は、増えた体重は元に戻したいものです。そこで、今回は時計を活用して行う方法を2つ紹介します。
1. 何時に食べるかを大切に
痩せるために朝食や昼食を抜くことによって栄養が不足して、抵抗力を落とし、血糖値を上げやすくなり脂肪をためやすい体にしてしまうこともあります。朝食抜きは5倍太りやすいという調査結果もあるほどです。
『なんとなく食べる』でなく、朝は8時台までに、昼は午後2時台までに、夕飯は朝食から12時間後の夜8時台までのように、1日の食事を可能な限り、食べる時間を優先に決めて生活すると太りにくく、減量効果が高くなります。
2.ニセモノの空腹感にだまされない
食後2時間でやってくる空腹感は体の栄養が必要なサインではなく、血糖値が下がっただけの「ニセモノの空腹感」です。
空腹感は、本来「エネルギーが足りない」時の信号ですが、実際には、ストレスや血糖値の下がりすぎなどで、おこることもあります。
体は、炭水化物や脂質、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要ですが、脳は、血糖値を上げる炭水化物に含まれる『糖』だけで満足してしまいます。特にごはんのような主食の炭水化物でなく甘味の砂糖が多い場合は、栄養不足になり、エネルギーとして使われにくくなった結果、余分な脂肪になります。食べ物を用意する前に、空腹感は、ホンモノかニセモノか、落ち着いて判断してみましょう。
食後2時間であれば、炭水化物に偏っている可能性があります。小腹に入れたい欲求にすぐ素直に従うのではなく、ニセモノの空腹はぐっと我慢して
1.まずは水分を補給
2.体を動かすなど余分な脂肪を増やさない行動を行うこと
がおすすめです。
身体は、食べる、動く、寝ることで維持し、少しずつ作り変えられています。
どんな身体にするかは、材料になる食べ物と食べるタイミング次第です。
体重増加で膝や腰が辛くならないよう、
なんとなく食べている食事習慣も時計を見ながら少しずつ見直してみましょう。
(管理栄養士 蛯原啓子)