COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

もっと食べよう!身体を整えるさつま芋

2022.09.28

マスク生活も長引き、常に感染症対策に気が抜けない今、秋の味覚の中でおすすめしたい食品としてさつま芋があります。

さつま芋の代表的な栄養素と言えば、炭水化物です。
最近、太るからと嫌われている炭水化物ですが、たんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルと並ぶ、健康に欠かせない5大栄養素のひとつです。

炭水化物は、大きく2つに分けると、

  • エネルギーとして吸収される『糖質』
  • 消化吸収されないのでエネルギーにならないけれど、体にとって重要なはたらきをする『食物繊維』

に分けられます。ですから炭水化物をとらないでいることは、エネルギーを減らすだけでなく、身体を整え、健康に欠かせない栄養も不足することになります。

食物繊維は、

  • 腸内環境を整える
  • 下痢や便秘の症状を改善する働き

が、代表的です。
しかし、最近は、免疫細胞の約6割は腸にあると言われ、そのカギをにぎる栄養として、注目されるようになってきました。
腸内環境を整えるメリットは、免疫や便通だけではありません。糖尿病、脂質異常症、肥満、動脈硬化などにも予防、改善効果があることがわかっています。食物繊維の含有量をご飯と同じ量で比較すると、さつま芋はご飯の約2倍の食物繊維がとれます。

また、ご飯ではあまりとれないビタミンA,ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC,ビタミンE、カリウムなどもとれます。

手軽に毎日の食生活に取り入れる方法をご紹介します。

手間いらずのさつま芋ご飯

  1. さつま芋はタワシを使ってきれいに洗います。
  2. 米は研いだら、いつもどおりの水加減に入れます。
    (さつま芋は水分があるので、水は足さない)
  3. 洗ったさつま芋を米の上にのせて、ふたをしてスイッチ
    (早炊きコースにはしない)
  4. 炊きあがったら、さつま芋をしゃもじでくずして軽くまぜ、盛り付ける
    (あれば黒ゴマ少々ふる)

さつま芋を皮ごとカットして入れる場合は、あくがでてきますので、水にさらしてからの方が見た目や味がよくなりますが、あく抜きせずに食べても問題ありません。
あくの中身はさつま芋の皮や切った時に出てくるもので、老化や免疫力低下の原因となる「活性酸素」を取り除く働きのあるポリフェノールです。

ご飯100g(コンビニのおにぎりサイズ)は約160kcal、さつま芋100gは約130kcalです。
混ぜてご飯だけの時と同じ量食べるなら、カロリー少なめで、栄養量は増やした食べ方となります。

1日1杯は食べたい【みそ汁】に入れる

  1. 煮くずれしやすいので大きめに切る
  2. だし汁で煮えたらみそを入れ、沸騰させない。

生姜や七味を入れると少なめの味噌でもおいしく食べることができます。
さつま芋は、電子レンジでも加熱して食べることができますが、一人暮らしであれば、上記のように炊飯器でお米を炊くときに入れ、炊き上がったらさつま芋の半分はサラダやみそ汁、おやつにして食べると数日に分けて飽きずに食べることができます。

甘味があり、食べ過ぎやすいので、1回量が多くならないようにだけご注意ください。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

栄養コラム一覧へ
ページの先頭へ戻る