COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

「心の元気は食事から」

2019.04.25

春は、1年の中でも体がだるく、眠くてやる気がおきない季節ともいわれています。
そこに休日がたくさんあると、つい生活のリズムも狂って、 朝起きる時間や食べる時間も乱れがちです。

すると栄養も偏ってしまい、心身の調子に一番関係している脳内物質の材料も不足 して心の元気も減って、5月病の原因にもなりかねません。

私たちの脳にある神経細胞は、絶えず大量の情報の伝達が行なわれています。
その中でも『セロトニン』という脳内物質は、目覚めを良くしたり、 自律神経のバランスを整え、心を落ち着かせたりと大きな役割を果たしています。
セロトニンの分泌を良くするために食事でできることは、 その材料となるトリプトファンやトリプトファンの合成を助けるビタミンB6をとること だと言われています。

トリプトファンを含む食材には、 牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品、卵、魚介類、納豆・豆腐などの大豆製品、 バナナやアーモンド、ピーナッツ、ごま、米にも含まれています。

ビタミンB6が多い食品の中で、この時期美味しいものではカツオです。
その他魚ではマグロや、サバ、イワシに多く、 肉では鶏肉、牛肉や豚肉のすべてに含まれます。

セロトニンの合成や分泌を良くするには、タイミングが重要で、「朝の摂取」が一番効果的です。

だるくて元気を出したいときに栄養ドリンクを飲む方もいらっしゃると思います。
栄養ドリンクに必ず入っているのが、ビタミンB1、ビタミンB2です。ビタミンB1は、 豚肉やうなぎ、レバー、ナッツ類に多く、ビタミンB2は牛乳や納豆、卵、アーモンドなどに 多く含まれています。

一度にたくさんとっても尿から排出されてしまいますから、 やはり1日3回の食事や間食でこまめに補給することが、疲労を貯めないコツです。

朝はバナナとヨーグルト(牛乳)、あるいは、納豆ご飯や卵ごはんなら続けやすい習慣です。
そして昼はとんかつや豚の生姜焼き、夜はマグロやカツオのたたき、 間食にはアーモンドや、ピーナッツ、チーズだと疲れ知らずの組み合わせです。

栄養ドリンクには、カフェインもあり、とり過ぎは肝臓の負担になったり、 疲れのサインにフタをして無理やり動いてしまうことで、その場は乗り越えても、 かえって疲労をためる原因にもなりかねません。

やっぱり、心の元気が体の元気です。
これから動くという朝にしっかり食べて、脳を元気にして1日をスタートさせましょう。

(管理栄養士  蛯原啓子)

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