2011/9/27
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┃■┃■┃ 月刊 用賀アーバンクリニック通信 2011年 9月号 ┃■┃■┃
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━━ こんにちは!用賀アーバンクリニックです。 ━━━━━━━━━━━
先日の台風ではクリニック周辺も猛烈な暴風雨で、急遽、夕方より休診とさせて
頂きました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
今後、診療時間に変更がある場合には、当院ホームページ及びメルマガでご案内
させて頂きますので、事前にそちらをご確認頂けますと幸甚です。
今年度のインフルエンザ予防接種ですが、10月1日(土)から開始となります。
詳細はHOT! Topicsにもございますので、ご参照頂ければと思います。
また、院内の混雑緩和及び感染防止を目的とし、事前にお読み頂きたい注意事項
及び予診票をホームページよりダウンロードできるように準備しております。
印刷の上、ご記入頂きご利用頂ければと思います。
それでは今月の情報です!
(患者様サービス担当 正者 忠範)
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┃▼┃INDEX
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─ HOT! Topics ─> 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2011年9月
─ 栄養コラム ─> 「メタボの原因になる健康食?!」
─ 医療コラム ─> コモンな病気ファイル その12:「鉄欠乏性貧血パート1」
─ 桜新町アーバンクリニックよりセミナーのお知らせ
― クリニック情報 ―> 休診、クリニックからのお知らせ等
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┃▼┃HOT! Topics: 用賀・世田谷近辺の最新疾病状況@2011年9月
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10月1日(土)からインフルエンザワクチンの接種を開始します。
先月号でもご案内させていただきましたが、今年度のワクチンは、昨年度と全く
同じ型のワクチンで次の3種類の株が含まれます。
(1)新型ブタインフル A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm株
(2)季節性A香港型 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)株
(3)季節性B型 B/ブリスベン/60/2008株
2シーズン前に新型インフルエンザと言われていた株も含まれるため、今シーズンもインフルエンザワクチンは1種類ですむことになります。
今シーズンから、世界保健機関(WHO)の推奨する量にあわせて接種量の見直しが行われたために、小児の1回接種量が増量となりました。3才以上の子供さんは、1回接種量が大人と同じ量になります。
・3才未満が1回0.25ml×2回
・3才以上13才未満が1回0.5ml×2回
ワクチン接種後、免疫がつくまでに2-4週間程度かかります。
またワクチンの免疫効果は約4,5ヶ月といわれているので、流行前の12月上旬
までには接種を受けておくと効果的です。
価格は1回3,600円(税込)となります。
13歳未満の人は2回接種、13歳以上の人は1回接種が原則ですが、
医師の判断により13歳以上の人でも2回接種となる場合があります。
世田谷区内に住民票のある子供さんには、接種時に費用の助成制度があります。
詳しくは以下の世田谷区のホームページをご参照ください。
http://www.city.setagaya.tokyo.jp/020/d00035861.html
また、東京都内在住の65才以上のかた、および60才以上65才未満のかたで心臓や腎臓、呼吸器に重い病気のあるかたには、インフルエンザワクチン用の医療券が各自治体から発行されます。東京23区内で接種する場合、自己負担額2,200円で接種できる予定です。
インフルエンザワクチン接種に関しては、ご予約はおとりできませんので診療
時間内に直接ご来院ください。今年は一部のメーカーのワクチンの製造で不備
があり、流通量が予定量より少なくなるようです。
さて、ここ近辺の流行状況です。
季節の変わり目で、普通風邪や胃腸炎などで受診されるかたが増えてきました。
まだ、インフルエンザを疑うような患者さんはおられません。
これから急に涼しくなってくると、さらに風邪が流行してくることが予想されます。
体が冷えないように、十分注意していきましょう。
(院長 田中 勝巳)
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┃▼┃栄養コラム:「メタボの原因になる健康食?!」
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夏も終わり、季節の変わり目で疲れやすさを感じるこの時期、『疲労回復に』と
書かれた札の前に並べられた商品や、普段から体に良いという評判の食品は、
さらに売上が増えるのだとか。
その中でも 納豆、豆腐、牛乳、ヨーグルトなどは、『血液のため』『腸のため』『骨のため』など、様々な効果が期待され、毎日摂っている方の多い食品です。
これらの食品は毎日食べても良いものですが、栄養相談を実施している中では、
あえて【毎日摂る】と決めたことが内臓脂肪を増やす原因になっているケースも
あります。
毎日食べるのであれば、その他の食事の摂り方も気を配る必要があります。
しかし、多いのはどんな食事であろうと毎日同じパターンで摂っているというケースです。
ヨーグルトなどは、『デザートにちょっと1品』など気楽に追加されていますが、気にしているのは砂糖を入れるかどうかで、砂糖を入れないのであれば、「少しだから」と気にされていないことが多いようです。
『脂肪ゼロ』をうたったヨーグルトもありますが、カロリーはゼロではありません。
注意していただきたいのは、どの食品も毎日食べることが悪いのではなく、どんなに『体に良い』と言われているものも『カロリー』があり、これまでの食事にプラスして食べることで『カロリーもプラス』になるということです。
ですから、毎日の食事にプラスする場合は、これまで摂ってきた食事を減らすか、これまでより運動(活動量)を増やさなければ当然体重は増加します。
ヨーグルトはカップ入りのもので70~110kcal、牛乳はやや小さめのコップ1杯で約100kcalです。
納豆は3個パックのもの1個が40gで80kcalですが、これに卵黄を1/3個分加えると、約100kcal、豆腐は3分の1丁で約100kcalになります。
100kcalを運動で消費するには大人だと約30分のウォーキングに相当します。
「ごはんにちょっとのせただけ」、「デザートにちょっと食べただけ」
・・・のつもりでも、1日100kcal余分に食べることで1カ月約3000kcal余分にとります。
体重(体脂肪)1kg=約7000kcalと言われていますから、そのペースだと約2ケ月あまりで約0.8kg、1年間で約5kgは体脂肪が増えるということになります。
ですからこれらの食品に限らず、体に良いという食品の情報に飛びついて買うようになったころから、体重がじわじわ増えてきていることに気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか。
秋はサンマが美味しい季節です。
しかし、サンマは脂(アブラ)が多いため、カロリーも高く、普段サケ1切れやアジの開き1枚食べている方がサンマ1匹を頻繁に食べると、サケやアジの約1.5~2倍のカロリーを摂取することになります。
ですからサンマ1匹食べたい日は、いつもの冷奴や、納豆は控えるという調整が大切です。
また、牛乳もヨーグルトも動物性脂肪をとる食品です。
焼き肉を食べる日は普段よりも肉が多めになるのですから、習慣になっているカフェオレの牛乳や食後のヨーグルトは控えめにするとカロリーオーバーを防ぐことができます。
毎日同じものを摂ることが安心につながり、どんな場合でも摂らないと不安になる方もいらっしゃるかと思います。そのパターンで買い物をしているから、消費もそれに合わせて毎日食べなければ・・・とつい思いがちです。
毎日の習慣が体を作ります。日々の摂りすぎの方がじわじわと内臓脂肪を増やすなど不健康な体に近づかせてしまいます。
逆に、その日摂らないだけで不健康になることはありません。
私達の体は、食事と運動、睡眠、ストレスコントロールなどの要素が健康、不健康を決める要因になることが多いのですが、中でも過剰なカロリー摂取は要注意です。
老化を遅らせ、長生きする秘訣はやはり腹八分目の食事です。
最近では腹7分目が良いという研究結果も発表されました。
これ1つで健康になるという食品はありません。
これ1つを食べなかったから病気になるという食品もありません。
こだわり過ぎて、『木を見て森を見ず』にならないよう、食品は栄養成分だけでなく、食品全体で判断しましょう。
特にダイエットしようという方は、何か足すときは何かを引く(減らす)必要はないか、一度冷静に判断してみることをおすすめします。
(管理栄養士 蛯原 啓子)
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┃▼┃医療コラム:コモンな病気ファイル その12:「鉄欠乏性貧血パート1」
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今回から数回にわけて「鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)」について
取り上げていきます。
当院では血液内科を標榜科の一つにしていることもあり、この疾患の患者様が
多く来院され、治療を受けておられます。
鉄欠乏性貧血は世界じゅうで最も頻度の高い栄養素欠乏症であり、貧血の原因と
しても最も高頻度の疾患です。
「貧血」というのは血液の濃度が低くなった状態で、血液の濃度はヘモグロビン
(Hb)という検査値で示します。ヘモグロビンが女性で12g/dl、男性で13g/dl
を下回ったときに貧血と定義するのが一般的です。
そもそも血液は、肺から取り込んだ酸素を体のすみずみにまで送り届けるという
重要な働きがあります。
その酸素を運搬するのが「赤血球(せっけっきゅう)」という血液細胞のなかに
多量に含まれるヘモグロビンというタンパク質なのです。
このヘモグロビンを構成するためには鉄が必須で、酸素がくっつく場所もこの鉄
がある場所です。鉄が不足するとこのヘモグロビンを作ることができなくなって
しまいますから、血液の濃度が薄くなり、つまり貧血となって、体のすみずみま
での酸素運搬が不十分になってしまいます。
ですから、貧血の時に自覚される症状はいわゆる酸素不足の症状である、息切れ、だるさ、動悸、立ちくらみなどが主になります。
また、血液が赤いのは血液中に赤い赤血球が大量に流れているためですが、赤血
球が赤いのはその中に含まれるヘモグロビンが赤いからです。
そのためヘモグロビンは色素タンパク質の一つとしても扱われているのですが、
ヘモグロビンが赤いのは実は鉄が中心となった構造をもつからで、同じような構
造を有する「ミオグロビン」(筋肉細胞に含まれる)も赤い色素タンパク質です。
このように、鉄という栄養素はわれわれ人間が生きていくために非常に重要なも
のといえます。
われわれは鉄分を栄養素として食事から摂取しています。
鉄分の吸収はそのほとんどが小腸の上半分である「空腸(くうちょう)」という
ところで行われます。食品中の鉄分は大きく動物性のものと植物性のものとに大
別することができ、肉・魚・レバーなどの動物性食品に含まれるものを「ヘム鉄」 、野菜・海草・大豆などの植物性食品に含まれるものを「非ヘム鉄」とよびます。
大事なことは、「非ヘム鉄よりもヘム鉄の方が空腸からの吸収がよいとされている」ことです。ポパイのようにほうれん草をたくさん食べるよりも、肉・魚・レバーなどの動物性の食材を多く摂った方が鉄分摂取については効率がよいことになります。
また、鉄剤による治療とも関連しますが、非ヘム鉄はビタミンCや肉・魚などの動物性タンパク質といっしょに摂ると吸収が促進され、逆に茶、コーヒー、ワインや食物中のカルシウム・植物線維などは非ヘム鉄の吸収を阻害することが知られています。ですから、野菜・海草・大豆などから非ヘム鉄を吸収するには、果物や肉・魚を組み合せて摂取するとよいということです。
食事中の鉄分が空腸から吸収される量よりも、汗や皮膚・腸粘膜の新陳代謝や出血などによって体から喪失する鉄分の量が多い状態が続くと、体内の鉄がマイナスバランスとなり、鉄欠乏状態から鉄欠乏性貧血へと進行していきます。
しかし人間の体内には少々のマイナスバランスであれば十分堪えうるくらいの鉄の貯蔵量があり、これを一般に「貯蔵鉄」と呼んでいます。
貯蔵鉄の多くは肝臓に蓄積されており、それ以外の場所では、古くなった赤血球が破壊される「脾臓(ひぞう)」、赤血球が新たに作られる「骨髄(こつずい)」にも一定量の鉄分が存在しています。
体内の鉄分がマイナスバランスになっても、これらの貯蔵鉄が十分にあれば、それを動員できますので鉄欠乏によるヘモグロビン減少、すなわち貧血を発症することはありません。しかしマイナスバランスがさらに持続して貯蔵鉄が枯渇してしまうと、いよいよヘモグロビンを十分に産生できなくなり、鉄欠乏性貧血を発症することになるのです。
これは、支出が収入を上回る状態が持続して貯金を切り崩さざるを得なくなり、
ついに貯金がゼロになってしまうさまによく似ており、患者様にはこれをたとえ
にしてご説明しています。
鉄欠乏のない健康な人と比べて、鉄欠乏を有する人では空腸からの鉄の吸収率が
アップしていて、同じ量の鉄分を摂取してもよりたくさんの鉄分を吸収できるようになります。
また肝臓に蓄積されている貯蔵鉄をより積極的に動員してヘモグロビンの産生効率をあげるようにさせる変化も起こります。
鉄欠乏状態において起こるこのような体の適応についても、最近かなり詳しく解明されてきています。
次回は鉄欠乏性の貧血の原因や症状などについてご紹介する予定です。
(副院長 増田 浩三)
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┃▼┃桜新町アーバンクリニックよりセミナーのお知らせ
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こんにちは、桜新町アーバンクリニックです。
いよいよ、秋の気配が感じられるようになってまいりました。
季節の変わり目に、大切なお子様の健康を見直しませんか。
そろそろ準備が必要なインフルエンザと、
普段のお食事について、当院の医師と管理栄養士がお話しします。
・インフルエンザの予防接種って受けた方がいいの・・・?
・インフルエンザと風邪の違いって・・?
・うちの子の食生活が心配・・どんな工夫をしたら良いの?
そんなお悩みを持つお父様、お母様へ。
皆様をお誘い合わせの上、是非お立ち寄りください。
<日時>
10月1日(土) 10:00~11:30
<場所>
東京都世田谷区新町3-21-1
さくらウェルガーデン2F 桜新町アーバンクリニック
※定員20名様
予約番号:03-3429-1192
当日参加も可能ですが、会場の都合上ご予約いただいた方を優先的に
ご案内させていただきますのでご了承下さい。
お車でお越しの場合はクリニック横の有料パーキングをご利用ください。
<演題・講師>
演題:「今冬のインフルエンザ対策!」
講師:外来部長 富塚太郎
(日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医・指導医)
演題:「今が大切!子供の食習慣
~今の食事で大丈夫?このままじゃ小児肥満・・!?」
講師:管理栄養士 川島美由紀、古村有加
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┃▼┃クリニック情報:休診、お知らせ等
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・10月8日(土)増田医師休診 → 代診 小澤医師
・最新の医師時間割 http://www.yoga-urban.jp/about_yoga/staff.html
急な変更等がある場合がございます。
ホームページのニュース欄にも記載は致しますが、
詳細は、お電話にて確認して頂くと確実です。
(患者様サービス担当 正者 忠範)
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━━ この用賀アーバンクリニック通信について ━━━━━━━━━━━━
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