COLUMN

管理栄養士の栄養コラム

食べる肌ケア

2021.01.28

乾燥する冬は肌荒れが気になりますね。
どんなクリームを塗るか、確かに表面のケアも必要ですが、どんなに外から塗っても、栄養不足では皮膚の修復は遅くなります。肌は、睡眠や日光、洗浄などの影響も大きいのですが、新しい細胞を作るのは食べものなので、やはり、何を食べるかは重要なポイントです。

皮膚表面を滑らかで弾力のある良い状態に保つには、なんといっても肌の細胞の基となるたんぱく質が必要です。たんぱく質というと『筋肉』とイメージされがちですが、肌や爪、髪など冬の乾燥に悩む部分も、たんぱく質で作られています。

良質なたんぱく質が多く含まれている食品には
・肉や魚、卵、大豆製品、乳製品
があります。
食べ方のコツは、1回にたくさん食べるのではなく、3食に分けてとることです。その際、肉や乳製品だけに偏らないようにすると、たんぱく質だけでなく、脂質のバランスも整います。

魚が苦手な方も
・イカ、タコ、貝類、はんぺん、ちくわ、つみれ、シーチキンなどの缶詰
はおすすめです。

それもなかなか摂れない時は、大豆製品を選びましょう。
納豆、枝豆、豆乳は手軽で常備しやすく、節分用に売られている乾燥した煎り大豆はおやつにも最適です。

また、肌にはうるおいを保つ水分が必要です。どんなに保湿化粧水をつけ、水をよく飲んでも、食事からの栄養補給は欠かせません。うるおいを保つ働きをするヒアルロン酸は、
ごはんやイモ類などの炭水化物に含まれている糖質ですが、たんぱく質でできた酵素がないと作られません。また、血行をよくし、粘膜にうるおいをあたえるにはビタミンが働きます。ビタミンは野菜や果物だけでなく、肉や魚、卵、大豆製品、ナッツ類にも多く含まれます。

お菓子、アブラものの食べ過ぎやストレスは、大切なビタミンB群やビタミンCを消費してしまいます。たくさん食べても体にためておくことはできないので、不足しないように毎日しっかりとることが必要です。健康のための食生活にはよく「バランスの良い食事が大切」と言われている理由は、このように一つの栄養素だけではなく、いろいろな栄養素を、一緒にとることで総合的に効果を発揮するからです。

ラーメンやパンだけのような炭水化物中心の食事や、ダイエットで食事を抜くなど栄養不足では、肌のトラブルはなかなか改善しません。コンビニやスーパーには日持ちするお惣菜も多く売られています。また、インターネットでは宅配の冷凍のおかずなども多種類販売されています。便利な食品を活用し、無理せずに、続けられる肌ケアで健康な肌を保ちましょう。

(管理栄養士 蛯原 啓子)

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